あなたにも出来る!社労士合格体験記(第55回)--台湾の電車の中でも受験勉強
実は阿里山もいつも通り、宿はとりあえず現地へ着いてからと思っていました。ところが、嘉義駅で阿里山森林鉄路へ乗り換えるときに、待合室でおばさん(阿姨)がしきりに近寄ってきます。しつこい勧誘は嫌だなと敬遠していましたが、人は良さそうな感じの阿姨です。今日は天気も悪いので、安くするからと何回も頼まれるので、どうせどこか宿を決めなければならないからと予約しました。
阿里山森林鉄路(登山鉄道)は険しい山の中を走行していきますが、風雨に弱いのが難点です。この日も激しい雨に見舞われ、阿里山駅(2,216m)までちょうど半分くらいのところで列車は立ち往生してしまいました。いつ動き出すかわからず、本来なら途方に暮れるところですが、これも何かの導きかもしれません。旅行中ずっとリュックの奥に眠っていた、社労士のテキストをおもむろに取り出して読み始めました。
ところが列車は一向に動き出す気配がありません。結局3時間停車となり、まるまるこの時間を勉強に充てられるという、私にとっては思わぬメリットとなりました。また、到着が夜遅くなり、雨も激しかったので、もし宿が決まっていなかったら大変でした。
そして翌朝は雨が止み、日の出に合わせて午前4時台に出発する列車で、台湾で最も高い駅、祝山駅(2,451m)まで登山。標高2,500mの展望台からは、雲に隠れていたものの、なんとか太陽を拝むことが出来ました。まさに「災い転じて福となす」です。
徴収法に出てくる「メリット」とは?
ところで、メリットという言葉が、労働保険徴収法に「メリット制」として登場します。初学者にとってわかりづらく、勉強を後回しにすることも多いのですが、今年は改正があったので要注意です。
メリット制とは、労働災害防止のためのインセンティブという側面から名付けられました。簡単に言えば、労働災害が少なくて保険給付額も少なければ、労災保険料率を引き下げましょうという制度です。ただし、逆に労働災害が多くて保険給付額が多くなれば、労災保険料率は上がります。従って、事業主によってはメリットではなく、デメリットになる可能性もあるのです。