イキイキ勝俣会長と紛糾する株主、東京電力の株主総会は5時間30分の「すれ違い」、詳細レポート

原賠法3条ただし書きの適用について、勝俣会長は「(裁判は)被災者相手になってしまううえに、3~4年はかかるというのであきらめた」と説明。免責を訴える以外にも、事故後は会社更生法や清算などの選択肢も役員らと相談したことを明らかにした。

一方、東電の賠償姿勢を問う株主も多くいた。

事故後に福島県を追われて石川県に移住した男性は、昨年も発言したと振り返りつつ、「昨年の総会で会長、社長に折花を差し上げたのだが、その後、直筆の手紙をもらった。そこには、誠意を持って対応する、とあったが、現在その誠意がどうなっているのか気になる。たとえば、除染は可能な限り行うとしたが、(福島)二本松のゴルフ場の除染をめぐる裁判では放射能は無私物だと主張しており、可能な限りの協力とは相いれない。先ほど、役員は福島に居を移すべきとの株主提案があったが、いっそ本社機能を福島に移せば役員、その家族、さらに孫まで福島に住むことになる。それでこそ、机の上でなく、心の通った対応ができるのではないかと考える」と発言。ここで株主からも拍手がわき上がる。

質疑応答でも存在感を示したのは猪瀬副知事だった。

質問でやり玉に上がったのは東電病院だ。猪瀬副知事によると、同病院の敷地面積は1700坪で、資産価値は122億円に上る。ところが、同病院は職域病院で、診療対象となるのは東電社員やその家族、OBのみだと問題視。
 
 加えて、「最近、都が立ち入り検査をしたところ、113床あるうち、稼働しているのは20床程度。3年前に検査をしたときには192床だった。稼働率が低いということで113床まで減らしたのに、それでも稼働率は低い」と指摘。さらに、「公的資金を入れながら、今後も社員だけ対象にやっていくのはおかしい。こんな病院があること自体、意識改革になっていない」と噛みついた。

すると、東電の山崎雅男副社長は、「許可を得ている東京都に対して、(診療の)一般開放ができないかという相談もしてきたが、(東電病院のある)新宿区には大きな病院がたくさんあるため都から難しいと言われた。さらに事故後、福島にも医師が出向するなどしており、特別事業計画の中では当面継続保有することになっている」と反論。
 
 しかし、猪瀬副知事は再び「福島には土日に1人行っているだけ。東電の幹部が看てもらうための病院だ」と応戦した。

最終的には勝俣会長が「検討課題とする」と締めくくった。

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