関西電力の株主総会は大阪市の提案をことごとく否決も、橋下市長は「衰退産業の道を歩んでいる」と熱弁
橋下市長の質問は2点。1つは使用済み核燃料についてで、「再処理事業は今後も継続すると考えているか。中間貯蔵施設は増設されると考えているのか。最終処分地はいつまでに作られると考えるか」「この点は将来予測がたたない。リスクを考えていただきたい」などと説明を求めた。
また経営の将来リスクとして、「家庭用電力の自由化は2年後に実施されると考えているか」「発送電分離は2年後に実施されると考えているか」「40年廃炉のルールは確立されると考えるか」「安全基準についての上昇コストはいくらを念頭においているか」「原発が何基止まれば赤字になるということを想定しているのか」など経営陣にただした。
これに対して関電は、1問目については白井良平常務が、「わが国はエネルギー自給率が4%と低く、さまざまなリスクがある」「原子力発電、原子燃料サイクルを、今後ともエネルギーの安定供給、エネルギー資源の有効活用の観点から重要であると考えている」などと回答。
また、2問目については岩根茂樹副社長が、「家庭用電力の全面自由化はお客様の選択肢の拡大、満足度向上に資するもので前向きに考えたい。一方で、一般電気事業者が担ってきた電気の安全・安定供給の確保、ユニバーサルサービスなどの公益性が何らかの形で確保されなければ、お客様の利益が損なわれる可能性がある」などと、個々の質問に対する会社の考え方を逐次示した。原子力の稼働基数と赤字の関係については、「合理化なども考えているが、相当の原子力が再稼働しなければ持続的、継続的な経営は難しい」と説明した。
総会終了後に行われた定例会見で、「関西電力はこのままではつぶれてしまうんではないか」という橋下市長の発言に対する意見を求められた八木誠社長は、「貴重なご意見として受け止めて、当社としてはそうしたことにならないよう、経営陣が全力をあげて経営改善、事業の発展に取り組んでいきたい」と語った。