詳報!山手新車両故障、制御システムに原因か 2日目に運行取りやめ、営業運転復帰は未定

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デジタルサイネージの多用も新型車の特徴だ(撮影:風間仁一郎)

JR東日本は今回のトラブルについて、E235系から新しく導入した車両制御システム「INTEROS(インテロス)」が関連しているとみて調査している。

同システムは情報伝送にイーサネット(LANなどのネットワークに使われる規格)を使用し、大容量の情報を高速でやりとりできる次世代の車両制御システムだ。

同社によると、目黒、大崎両駅でのトラブルは「INTEROS」が関連しており、問題点もほぼ判明。目黒駅でのトラブルについてはホームドアに合わせて正確な位置に停車させるためのシステム「TASC」のブレーキのチューニングに問題があった。大崎駅でのトラブルについては、ホームドアは車両のブレーキが確実にかかった状態でないと開かないようになっているが、実際にはブレーキが確実にかかっているにも関わらず、INTEROSが間違った情報を出していたことが確認されたという。

この2駅でのトラブルについては、今後「ソフトウェアの修正を行う」(JR東日本)という。大塚駅でのトラブルについても同システムが関連していると推定して調査をしているが「対策を実施し、今後同じトラブルが発生しないことを確認しなければならない」(JR東日本)ため、現時点では営業運転復帰がいつになるかは不明という。

ちなみに、JR東日本のスマートフォン向けアプリ「JR東日本アプリ」では山手線の電車の走行位置や車内の混雑状況などが確認できるサービスがあるが、E235系はここでも走行位置以外の情報が途中から確認できなくなった。列車からの情報が更新されなくなってしまったためといい、「間違った情報を提供するのはよくない」(JR東日本)との判断で、途中からE235系に限り車内状況の表示をとり止めたという。これが今回のトラブルと関連しているかは不明だ。

試運転は適切だったか

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新型車のインテリアも洗練されたデザインだ(撮影:風間仁一郎)

JR東日本によると、今回のE235系はさまざまな新機軸を搭載しているため、機器の調整やデバッグなどを含め約半年の試運転を続けてきた。

また、11月29日には初めて乗客を乗せて走る「初乗り」のツアーが行われ、本来は走らない横須賀線を通って品川~鎌倉・横須賀を走行したが、この際も特にトラブルはなく「今回のような不具合は検証できていなかった」という。

鉄道技術ライターの川辺謙一さんは「システムが新しくなったからというより、営業運転までにリスクを洗い出せていなかったという点が問題。試運転で問題がなかったのに、なぜ営業運転で問題が起きたかの分析が必要だ」と指摘する。「新たなシステムを入れるということは想定外のトラブルも起こりやすくなるということ」(川辺さん)。特に、車両だけではなくホームドアなどのインフラ部分との連携の検証が不足していたのではないかと川辺さんは推測する。試験段階でのチェックに不備がなかったどうかの検証も重要となるだろう。

E235系はいまのところ1編成のみで、山手線の運用は従来の車両でまかなえるためダイヤへの影響はない。だが、中吊り広告の廃止・存続や、インパクトのある外観が運行開始前から話題を呼んだ車両だけに、広告クライアント企業などに見直しの動きも考えられる。ただ、今回のような形で話題が続くのは関係者にとっては不本意だろう。今後の詳しい原因究明の動向が注目される。
 

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