シリア内戦の「出口」が見えなくなっている 周辺国による代理戦争が激化

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このようなミサイルが、パイロット救出に向かったロシアのヘリコプターを撃墜するのを彼らは目の当たりにした。シリア内戦の国際的な側面を捉えた瞬間だった。シリア政府軍の関係筋はロイターに対し、こうした武器は広く使用されており、戦闘に影響を与えていると語った。

一方、過激派組織「イスラム国」によるパリ同時多発攻撃とロシア旅客機墜落事件は、シリアでの内戦に新たな次元の戦いをもたらした。同国東部で支配を広げるイスラム国との戦いだ。

フランスとロシアから報復空爆を受け、イスラム国は劣勢に立たされている。最近では、米国が支援するクルド人やアラブ人武装勢力、シリア政府軍、そして政府とイスラム国の両方と戦う反政府勢力にも押されていた。

そうとはいえ、シリアでイスラム国掃討に関わるアサド大統領の敵も味方も、その見通しは不透明なように見える。オバマ米大統領は24日、ロシアが掃討作戦に加わることを歓迎するとしたうえで、空爆の対象を反体制派からイスラム国に変える必要があると語った。一方、ロシアはイスラム国を標的にしていると明言している。

シリア問題を解決するにあたり、アサド政権を退陣させるかどうかについて、米国・サウジ側と、イラン・ロシア側との間には基本的な相違がある。このことが恐らく、ウィーンでの政治プロセスを台無しにするリスクがある。

ロシア介入強化の政治的影響

「これまでのところ、ロシアの介入強化は実際の軍事的インパクトよりも、政治的な影響の方が大きい」と、国際危機グループのシニアアナリスト、ノア・ボンジー氏はウィーンでの協議についてこのように指摘。

「内戦の解決に向けて、大きな進展が実際に見られると楽観できる理由はあまりない。だが少なくとも、皆が再び話し合いの場に戻ってきた。最も重要なのは、長い間放置されていた反体制派内部の問題を解決する理由を、反体制派とその支援国に与えているということだ」とボンジー氏は述べた。

シリアの内戦はまもなく6年目に突入する。これまでに約25万人が犠牲となり、国民の半数以上が家を追われた。内戦を逃れた多くのシリア人が難民として欧州に押し寄せ、危機を引き起こしている。

軍事的には、ロシアが支援する部隊は主に、アサド政権の生き残りに不可欠なシリア西部に集中している。同地域ではイスラム国はほとんど存在していない。

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