Youtuberになるには、どんな学部がいいのか 就職を意識した高校生のための進路相談<2>

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2)ユーチューバーの収入源が実に不安定であること

かつては「動画再生回数×0.1円」程度の収入が見込めましたが、現在の相場は係数0.1が0.05~0.025円まで切り下がっているとの報道があります(係数は個人によって差がある)。

これは、なかなか怖い話です。例えば、5000万回再生回数があっても、年500万円稼げる年もあれば、250万円とか125万円にしかならない年もありうるということです。500万円稼げると思っていて、贅沢して、機材なども買っていたら、翌年はヒットに恵まれず、大幅な支出超過に陥ってしまう。怖いと思いませんか?

Youtubeをはじめ、動画サイトの運営会社からすれば、いくら再生回数が多くても広告が集まらなければ、再生報酬を減額するのが当たり前。このように、運営会社次第で収入が減らされるのは大きなリスクです。

有名人の動画に勝てるのか?

3)お笑い芸人や俳優などの有名人の参入

有名人でコンテンツを作る能力が高い人が参入したらばどうでしょうか。アマチュアの作る面白動画など、あっと言う間に吹き飛んでしまうはずです。実際、YoutubeのCMでも、2015年6月には日本エレキテル連合が出ていました。

また、有名人の場合は無理やりに動画配信をヒットさせなくてはならない、ということではありません。副業としつつ、本業にもつなげる、という形でいいわけです。

4)アマチュアの新規参入者の増加

動画配信は簡単にできてしまいます。あなたのように、ユーチューバーとして一攫千金を、と考える人は今後もどんどん出てくるでしょう。ユーチューバーとまで行かなくても、面白動画をちょっと流してみたい、という人だっています。先ほど、有名人の参入もリスクに挙げましたが、新たなアマチュア参入者も競合激化という脅威を招くのです。

こうしたリスクを考えると、本業としてのユーチューバーは全くお勧めできない職業です。何か別の本業を持ち、そのうえで副業としてユーチューバーの顔を持つほうがいいでしょう。

単に趣味程度、ということで実施するなら、マリオメーカーでもUFOキャッチャーでもいいのですが、無理に面白くしようとしないことです。「多少のお小遣いを稼げればラッキー」くらいに、とどめておいたほうが無難です。

石渡 嶺司 ライター・大学ジャーナリスト

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いしわたり れいじ

1975年札幌生まれ。東洋大学社会学部卒業。編集プロダクションなどを経て2003年から現職。大学選び、就職活動をテーマにした執筆活動に定評がある。2008年から高校生向け進路ガイド『時間と学費をムダにしない大学選び』(中央公論新社、共著)を毎年刊行。
主な著書に『就活のコノヤロー』(光文社新書)、『就活のバカヤロー』『アホ大学のバカ学生』(光文社新書、共著)、『教員採用のカラクリ』(中公ラクレ、共著)など。2015年は『300円就活準備編』、『300円就活面接編』(角川書店オリジナル電子書籍)、『時間と学費をムダにしない大学選び2016』(中央公論新社、共著)、『女子学生はなぜ就活で騙されるのか」(朝日新書)を刊行。JCAST、毎日新聞大阪版、北海道新聞などで連載中。
 

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