日経平均2万円、4度目のトライ失敗 「黒田コール」の期待低下
[東京 27日 ロイター] - 日経平均<.N225>が4度目となる2万円トライに失敗した。1つの要因は、景気や株価が悪くない状態でも物価基調が下がれば、日銀が追加緩和を実施するという「黒田コール」への期待低下だ。景気や株価が落ち込めば、追加緩和してくれるとの「黒田プット」への安心感は残っているものの、日本株買いの「スクラム」は崩れ気味で、上値追いの突進力は強くない。
薄商い、円安の追い風も弱く
日経平均は、18日の取引時間中に1万9800円台に乗せた後、本日を含め4度、8月20日以来となる2万円大台にあと50円足らずまで迫ったが、いずれも跳ね返された。しっかりと下値と上値を切り上げてはいるが、足踏み期間が長くなっていることで、相場の力強さよりも、もたつく印象の方が強くなってしまっている。
米国は26日が感謝祭による休場で海外の参加者が減っていることもあるが、27日の東証1部売買代金は約1カ月ぶりの2兆円割れ。中国ショックによる8月の急落で2万円までは累積売買量の少ない「真空地帯」だったが、ボリュームゾーンに入る大台越えに必要なエネルギーが乏しい。
日本株の上昇に力強さが欠けているもう1つの要因は、円安のフォローが弱いことだ。ドル/円<JPY=>は上値を切り下げつつ122円台で推移。日経平均よりもさらに足取りが鈍い。円安の追い風が途切れる中、日本株は内需系セクターは堅調だが、外需株は総じてアンダーパフォームとなっている。
円安の勢いが乏しいのは日本側の材料不足が大きい。米利上げ期待が高まる一方で、日銀の追加緩和期待は低下。「米利上げの材料だけでは、円安進行のスピード感は出ない」と三井住友銀行のアジア・大洋州トレジャリー部エコノミスト、鈴木浩史氏は指摘する。