アジア繁栄のために女性に“力”を与えよ--ヴィシャカ・デサイ アジアソサエティ理事長、リー・クアンユー公共政策大学院副学長 アストリッド・トゥミネス

各国政府、特に中国とインドは、子供の性別選択を終わらせる取り組みを強化すべきだ。また、女性に対する家庭内暴力を減らし、女性の交渉力を増やすためにも、不動産所有権の拡大、離婚する自由の増大を可能とする、法律の拡充と執行強化が求められる。

ただ、楽観的になる理由がある。パキスタンとインドネシアの例を見れば、政府、警察、女性グループ、法律事務職員、非政府組織が手を組むことで、女性の声と力を強化できることがわかる。さらに、アジアの諸政府は、女性がすでに重要な役割を演じている農業と起業の2分野で、女性のリーダーシップを育成することができる。

経済発展は男女平等と正の相関があるが、世界銀行が世界開発報告書2012年版で指摘しているように、男女平等は独立した価値であり、経済成長と効率性のための道具ではない。世界銀行の調査は、女性の教育、平均余命、就業などでの進展を示す一方、低・中所得諸国における女性の高い死亡率、教育格差、不平等な経済的機会、家庭の内外での不平等な権限などの問題が持続していることを指摘している。

アジアの少女たちは、生まれた時から、人間としての可能性、特にリーダーシップを獲得する可能性に対する大きな障害に直面する。今こそそうした障害を除去する時だ。アジアの女性に権限を与えることは、彼女たちだけでなく、アジア地域全体を豊かにするのだから。

Vishakha N.Desai
米ミシガン大学で博士号(アジア美術史)取得。ボストン美術館などを経て2004年より現職。

Astrid S.Tuminez
米マサチューセッツ工科大学で政治学博士号を取得。米国平和研究所などを経て現職。

(週刊東洋経済2012年6月23日号)

記事は週刊東洋経済執筆時の情報に基づいており、現在では異なる場合があります。Photo:Htoo Tay Zar CC BY-SA
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