東武鉄道、伝説の「フライング東上号」が復活! 再び行楽特急の夢を見られるか?
東上線では、すでに2種類のリバイバルカラー車両が運転されている。今年は全線開通90周年だが、昨年も最初の区間が開業してから100周年にあたる節目の年だった。この記念として、昨年の3月には1974~85年に採用していたクリーム色1色の「セイジクリーム」塗装を再現した車両が登場。さらに11月には、1963~74年に見られたベージュとオレンジ色のツートンカラー塗装の車両も走り始めた。
その2本に続き企画されたのが、今回の「フライング東上号」の再現だ。リバイバルカラー車両を相次いで登場させる狙いは「東武のファンを増やすこと」。
これまでの2本も好評を呼んでいることから、「全線開通90周年ということで、寄居まで東上線の全区間を走っていた看板列車の塗装を再現した」(藪圭介・同社広報部課長補佐)という。
当時の看板列車を再現するのにふさわしく、車両は現在の代表車両として「TJライナー」に使われる50090型を選定。同車両は池袋~小川町間の運転で、終点の寄居までは行かないため、小川町~寄居間を走る4両編成の8000系にも同じ塗装を施し、全区間をリバイバルカラー車両が走るようにした。
見本やOBの声で「色」を再現
かつてのカラーリングを再現するにあたっての難関は「色」だ。実物は今から50年以上前に姿を消しているため、当時を知る社員はいない。青と黄色の色合いは、当時の車両部が作成したという色見本帳をもとに、東武鉄道OBの意見も聞きながら再現した。
今回のリバイバルカラーは、4両編成の8000系が塗装、10両編成の50090型は東武では初となる全面ラッピングと、それぞれ別の方法で再現しているため、両者の色を揃えるのも苦労があったという。
花上名誉館長によると、かつての実物は「塗装がラッカーだったので、もう少しツヤがあった」というものの、色は忠実に再現されているようだ。藪課長補佐は「実際に昔(フライング東上号に)乗ったという人にも乗っていただきたいし、当時を知らない方にも、復刻版として目新しく思っていただければ」と、リバイバルカラー車両で東上線への注目が高まることに期待を示す。
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