「お似合いすぎる」「雰囲気が似てるよね?」の声相次ぐ…【金メダル《りくりゅうペア》】の"相性"を裏づける科学的理由
トドロフ教授らは別の研究でも、わずか1秒未満の「顔の第一印象」が実際の選挙結果を予測することを示した。
顔の「有能さ」の印象だけで、04年の米上院議員選挙の68.8%の結果を言い当てた(※5)。ビジネスの現場でも採用面接や顧客への営業、社内プレゼンなど、「顔の第一印象」が結果を左右する場面が無数にある。
「信頼できる顔」をつくることは可能か
では、そうした「信頼できる顔」はつくることができるのか。
答えは「つくれる」である。口角を軽く上げた自然な微笑み、目線の安定、適切なアイコンタクト、直立した姿勢といった外見的要素は、意識的にコントロール可能だ。
表情筋は習慣によって変わる。笑顔を日常的に使う人の顔が柔和になるのは、筋肉の実際の変化によるものでもある。
さらに興味深いのが「顔の相性」の観点だ。
先に「カップルの顔は最初から似ている傾向があるが、時間とともにさらに似ていくわけではない」という研究結果を紹介したが、長期的な協力関係にある同僚やパートナーと「表情の癖」は似てくることがある。
それは信頼関係の深さを外部に「見せる」ものでもある。商談相手に「このチームは息が合っている」と思わせる根拠の1つは、顔の微細なシンクロにあるかもしれない。
投資家が「この経営チームなら任せられる」と感じる瞬間にも、言語情報より先に顔から発せられる「信頼性シグナル」が働いている可能性もある。
りくりゅうが示したのは、「見た目の力」は持って生まれた才能だけではなく、積み重ねの中で形成されるということだ。6年半、氷の上で感情を分かち合ってきた2人の「顔の相性」は、意図せずして育てられたものなのである。
1:Willis, J. & A. Todorov (2006) First impressions: Making up your mind after a 100-ms exposure to a face, Psychological Science, 17(7), 592-598.
2:DeBruine, L. M. (2002) Facial resemblance enhances trust, Proceedings of the Royal Society of London B, 269(1498), 1307-1312.
3:Zajonc, R. B., P. K. Adelmann, S. T. Murphy & P. M. Niedenthal (1987) Convergence in the physical appearance of spouses, Motivation and Emotion, 11(4), 335-346. / Tea-makorn, P. P. & M. Kosinski (2020) Spouses' faces are similar but do not become more similar with time, Scientific Reports, 10, 17001.
4:Ohanian, R. (1990) Construction and validation of a scale to measure celebrity endorsers' perceived expertise, trustworthiness, and attractiveness, Journal of Advertising, 19(3), 39-52.
5:Todorov, A., A. N. Mandisodza, A. Goren & C. C. Hall (2005) Inferences of competence from faces predict election outcomes, Science, 308(5728), 1623-1626.
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