「お似合いすぎる」「雰囲気が似てるよね?」の声相次ぐ…【金メダル《りくりゅうペア》】の"相性"を裏づける科学的理由
木原選手に対し、多くの人が「誠実そう」といった印象を抱き、「信頼できる顔」と感じるのは、こうした神経科学的なメカニズムと無関係ではないだろう。
研究によれば、扁桃体は「信頼できる顔」と「信頼できない顔」の両方に対して強く反応し、顔から受け取る社会的シグナルの強度を自動処理していることが示されている。
口角がわずかに上がった表情、穏やかな目元といった特徴は、その社会的シグナルの強さに直接影響する。人々は意識するより先に、「この人は信頼できる」と感じてしまうのだ。
なぜ「りくりゅう」は“お似合い”なのか?
では、なぜ世間は「2人の雰囲気が似ている」「空気感がすごくお似合い」と感じるのだろうか。SNSを見ていると、「2人の顔が似ている」と感じる人もいるようだ。
カナダ・マクマスター大学のリサ・ドゥブリュン教授は、顔の「類似性」と「信頼感」の関係を実験で解明した(※2)。
ゲームを使った実験で、2人1組になり、プレイヤー1は相手の顔を見てお金を「渡すか渡さないか」を選び、プレイヤー2はそれを「正直に分けるか独り占めするか」を選ぶというもの。
「渡す」のは合理的には損な行動であるため、どれだけ相手を信頼するかを行動で測る。その結果、自分の顔に似せて合成した相手の顔を見ると、人は有意に相手を「信頼しやすく」なることがわかった。
人間は進化の過程で、「顔が似ている=血縁関係にある=裏切らない」というヒューリスティック(経験則)を獲得してきたとされ、似た顔の人に対して無意識の安心感を抱く。
加えて、「なぜカップルの顔が似て見えるのか」についても研究が蓄積されている。
長年連れ添ったカップルの顔が似てくるという「顔の収束仮説」は、心理学者であるロバート・ザヨンツ教授らが12組のカップルを対象に提唱した(1987年)。
その後、スタンフォード大学のティー・マコーン氏とミハウ・コジンスキー氏が517組に拡大して再検証した結果(2020年)、「カップルの顔は最初から似ている傾向があるが、時間とともにさらに似ていくわけではない」ことが明らかになった(※3)。



















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