【販売台数を追いかけない美学】ピュアという意味を車名に冠するマセラティの新型スポーツカー「MCプーラ」の物語と官能的な質感

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MCプーラ チェロのスタイリング
MCプーラ チェロのスタイリング(写真:三木 宏章)

ドライブすると、速くて快適という、万能選手ぶりが強く印象に残るモデルだ。しかも今回乗った「チェロ」(イタリア語で“空”の意)はオープンである。

イギリスでのデビューもそうだが、日本でのメディア向けとなる初のテストドライブも舞台はサーキット。

全長4667mm、全幅1965mm、全高1214mmと比較的コンパクトではあるものの、幅広く低い2人乗りの車体。全体の印象はMC20から大きく変わらない。タイヤの存在感が大きなボディは、強烈にスポーティなイメージだ。

MCプーラ チェロのリアビュー
MCプーラ チェロのリアビュー(写真:三木 宏章)

人が乗るキャビン背後、後車軸の前に3000ccのV6エンジンを搭載。最高出力は463kW、最大トルクは730Nmで、静止から時速100kmへの加速は2.9秒と発表されている。

私が以前MC20に乗ったのは、イタリアの地中海に面したシチリアだった。F1でも使われる副燃焼室で効率的な燃焼を実現した独自開発のV6エンジンによる目の覚めるようなパワーには瞬間的に心を奪われた。デザインも内容をよく表現していると感心。その魅力をMCプーラは継承している。

マセラティの価値を決定づけるストーリー

MCプーラ チェロのサイドビュー
MCプーラ チェロのサイドビュー(写真:三木 宏章)

路上を走る台数が多くなると、往々にして陳腐化するものだが、マセラティは今も希少価値が高い。

MCプーラ チェロのハードトップ格納フードには、大きな「トライデント」(三叉の鉾)と呼ばれるマセラティのエンブレムがつく。この大きなトライデントは、オプションで好みの色も選べる。

マセラティの創業は1914年だが、トライデントのエンブレムが同社のレーシングカー「ティーポ26」に採用されたのが1926年。それから2026年は100周年を数える。

マセラティがロマンチックに感じられるのは、創業メンバーがマセラティ兄弟だったこと。ティーポ26を駆ったのも、トライデントをデザインしたのも、マセラティ家のメンバーだ。物語性がある。

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