「魚が獲れず、輸入価格も上がり続ける…」安くておいしい魚を日本に取り戻す"たった1つ"の現実解

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これまで不漁の原因の1つとされてきた黒潮大蛇行は、7年9カ月続いた末に解消されました。では漁獲量が回復したかというと、結果は逆で、サケやサバ(太平洋系群)はさらに大幅な減少となりました。

一方、わずかに回復したサンマは、そもそも漁場が黒潮大蛇行の影響エリアから遠く離れています。サンマ漁は公海での漁獲が多いとされ、公海での漁獲枠が少し機能し、制限がかかったことで、ようやく漁獲量がわずかに増えた可能性があります。こうした肝心な点は、あまり報道されません。

これは、別の原因で業績が悪化している会社が、景気のせいにしているようなものです。つまり、景気が回復しても良くならず、隠されていた悪化要因が表面化してしまうのと同じなのです。

安い人件費を当てにした加工国へのシフトは限界

歴史は繰り返します。高品質と価格競争力を武器に、かつて世界市場を席巻した「MADE IN JAPAN」。日本製品は世界で高く評価されていました。しかし、豊富な労働力と安価な人件費を求め、生産拠点は中国を中心とするアジアへ移っていきました。

水産物の中国加工品(写真:筆者提供)

衣類、プラスチック製品、電化製品をはじめ、生産国を見れば中国か東南アジアの国々ばかりです。同じような製品で価格が高いものは日本製――そのような構造になっています。

水産物の加工でも、同じことが起きています。世界が平和で貿易に支障がなく、日本の経済や通貨が強ければ問題には気づきにくいでしょう。しかし、日本人にとって都合のよい時代は、残念ながら続きません。製品を生産している国々や世界全体の経済発展により、価格は上昇していきます。より安い人件費を当てにした加工国へのシフトは、どのみち限界があります。

加工拠点がなくなれば、安くない価格で製品を輸入することになっていきます。これでは「何のために海外に拠点を移したのか」となります。

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