共通テストですべての科目を受験した和田さん。東京藝術大学の美術学部は、1次で英語と上位2科目を成績の良い順番に評価するという仕組みでした。
2次では英語・歴史(世界史・日本史の選択)・小論文かデッサンの選択という方式で、英語、日本史、小論文を選んだ和田さんですが、興味のある分野と得意科目を生かすことができ、電通を退職してからわずか半年で東京藝術大学の美術学部芸術学科に合格することができました。
純粋に「知」を愛することができる歳
54歳の年に、わずか半年で東京藝術大学に合格し、現在1年生の和田さん。再受験して良かったことをお聞きすると、「良かったことしかない」と答えてくれました。
「自分は本を読むのも試験を受けるのも楽しいと思っていたので、課題をクリアしていく楽しみと達成感がありました。何の能力が落ちているか、自分を実験台にして検証する心理ゲーム要素も楽しかったです。気持ち的には来年大学に受かればよし、今年受かれば儲け物だと思っていたのがかえってよかったですね。浪人をしていたらプレッシャーがかかってきたかもしれません。今、18~19歳の子達と同じ教室で学べて、自分が京大に通っていた頃とはまったく違う感覚を感じるのが、また面白いなと思っています」
現在は学校の課題に苦しみつつも、日本美術史や西洋美術史、美学などの授業すべてに楽しみを見いだし、学校生活を楽しんでいる和田さん。これからも「思想」と「美」についての勉強を突き詰めていくようです。
「当初目標にしていた心理師の資格を取ることが目的ではなくなったので、博士までいったら9年間勉強することになりますが、どこまで勉強するかは決めていません。ですが、若い時の何もしない大学生活が心残りだったので、今の生活を楽しめています。
私はこれから何者かになるわけではないのですが、『ためにする学問』ではなく純粋に知を愛することができる歳でもあり、同じように学びたい中高年の方も多くなっている時代なのではとも思います。実際、大学院には国家公務員を勤め上げた後に進学された方もいらっしゃいます」
和田さんの30年以上を経て経験する2度目の大学生活は、人生を有意義にする学びの連続なのだと感じることができました。
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