54歳で東京藝大合格。「京大卒→電通で32年勤務」のエリートに退職&学び直しを決断させた"あの時の後悔"

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共通テストですべての科目を受験した和田さん。東京藝術大学の美術学部は、1次で英語と上位2科目を成績の良い順番に評価するという仕組みでした。

2次では英語・歴史(世界史・日本史の選択)・小論文かデッサンの選択という方式で、英語、日本史、小論文を選んだ和田さんですが、興味のある分野と得意科目を生かすことができ、電通を退職してからわずか半年で東京藝術大学の美術学部芸術学科に合格することができました。

東京芸術大学入学式
見事東京藝術大学に合格(写真:和田さん提供)

純粋に「知」を愛することができる歳

54歳の年に、わずか半年で東京藝術大学に合格し、現在1年生の和田さん。再受験して良かったことをお聞きすると、「良かったことしかない」と答えてくれました。

「自分は本を読むのも試験を受けるのも楽しいと思っていたので、課題をクリアしていく楽しみと達成感がありました。何の能力が落ちているか、自分を実験台にして検証する心理ゲーム要素も楽しかったです。気持ち的には来年大学に受かればよし、今年受かれば儲け物だと思っていたのがかえってよかったですね。浪人をしていたらプレッシャーがかかってきたかもしれません。今、18~19歳の子達と同じ教室で学べて、自分が京大に通っていた頃とはまったく違う感覚を感じるのが、また面白いなと思っています」

現在は学校の課題に苦しみつつも、日本美術史や西洋美術史、美学などの授業すべてに楽しみを見いだし、学校生活を楽しんでいる和田さん。これからも「思想」と「美」についての勉強を突き詰めていくようです。

「当初目標にしていた心理師の資格を取ることが目的ではなくなったので、博士までいったら9年間勉強することになりますが、どこまで勉強するかは決めていません。ですが、若い時の何もしない大学生活が心残りだったので、今の生活を楽しめています。

私はこれから何者かになるわけではないのですが、『ためにする学問』ではなく純粋に知を愛することができる歳でもあり、同じように学びたい中高年の方も多くなっている時代なのではとも思います。実際、大学院には国家公務員を勤め上げた後に進学された方もいらっしゃいます」

和田さんの30年以上を経て経験する2度目の大学生活は、人生を有意義にする学びの連続なのだと感じることができました。

教訓:学びは人生を豊かにする
濱井 正吾 教育系ライター

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はまい しょうご / Shogo Hamai

兵庫県出身、1990年11月11日生まれ。「9浪はまい」のニックネームでTwitterやYoutube、テレビ出演などを行っている。大阪産業大学経済学部経済学科に入学後、龍谷大学経済学部現代経済学科に編入学し、卒業。 高校時代にいじめを受けたことから、いじめっ子を社会的に偉くなって見返したいと思い、在学中から仮面浪人として受験勉強を4年間続ける。大学卒業後、証券会社に契約社員として就職したが10日で自主退職、同月中に配置薬会社に再就職。昼は会社、夜は予備校という生活に。同社退職後は受験勉強に専念し、9浪で早稲田大学に一般受験で合格し、2018年に教育学部国語国文学科入学、2022年卒業。現在はカルペ・ディエム所属。

Facebook: https://www.facebook.com/shogo.hamai/
 

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