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1錠で即死する「偽装された鎮痛剤」が蔓延するアメリカの緊急事態——24歳息子を奪われた母が告発する、巧妙すぎる"殺人薬"の罠

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そもそもフェンタニルとは化学物質を合成して作られたオピオイド系の薬物でモルヒネの100倍の強さがある。合法的に製造されたものは、米食品医薬品局(FDA)が認可する医薬品として、末期ガン患者のケアなどに使われてきた。

だが、それとは違い、違法に製造され、致死量のフェンタニルが混入している小さな錠剤をそうとはまったく知らずに1粒飲んで死に至るケースが急増しているのだ。

犯罪組織のドラッグ・カルテルが「違法フェンタニル薬」を製造し、医師の処方箋があれば購入可能なオピオイド系の鎮痛剤「パーコセット」などのまったく別の錠剤そっくりの形に似せて、流通させているとテキサス州政府のサイトに記されている。

「One Pill Kills」と題されたこの政府サイトのトップには16歳から20歳までの若者たちが微笑む写真がずらっと並ぶ。アメフトや陸上などの運動選手だった健康体そのものの彼らが、ニックさんと同じように錠剤を1粒飲んで突然死したことを、両親たちが肉声で語り、地域の若者たちに警戒を呼びかける映像だ。

肉眼では見分けられない

連邦政府の司法省麻薬取絞局のサイトには「オキシコドン」などの鎮痛剤と、フェイク薬の写真が並べられており、形状は同じで「肉眼では見分けがつかない」と書かれている。

ニックさんの生前からケンタッキー州の病院の病理学部門で働いていたパーカーソンさんは、健康だったニックさんがなぜフェンタニルで突然死ななければならなかったのかを自力で調べはじめた。

当時、脳卒中を患っていた祖母をひとり暮らしにはできないと孫のニックさんは彼女の家に同居し、働きながら祖母の面倒を見ていた。ある時、その家に年上の親戚の男性がやってきて「泊めてくれ」と頼み、数カ月同居することになった。

親戚男性はオピオイド系の鎮痛剤の依存症に長年苦しんでおり「鎮痛剤のパーカセットが欲しい。手に入れてほしい」とニックさんに頼んだ。

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