「就活では広告代理店なども受けていたんですが、ロジカルな思考力をより鍛えられるのはコンサルだと思って、広告代理店の選考は途中辞退しました。他にもコンサル以外の会社は何社か受けていたんですが、落とされて落とされて、最終的に数社のコンサル会社が候補として残ったので、そのうちの1社に決めた形です」
ロジカルな思考力も持ち合わせる安藤さんだが、本当の長所は「ミスコンで磨いた明るさと忍耐力」。その強みを活かすなら、営業のような対人コミュニケーションが主となる仕事が適していたかもしれない。
しかし、最終的に安藤さんは「自身の長所を活かす」のではなく、「自身に足りない部分を伸ばす」選択を取った。それは言うまでもなく、「いつか自分で事業を立ち上げる」という明確な目標があったからだ。
そして、コンサルという仕事を通じて、これまで見えていなかった新たな適性を発見できるかもしれない。そんな淡い期待も、安藤さんは心のどこかに抱いていた。
コンサルでは生かせなかった「自分の強み」
しかし、2年間コンサルタントとして働いた結果、安藤さんは「自分にコンサルは向いていなかった」と感じてしまったのだ。
「今の会社に入って、確かにロジカルな思考力はかなり鍛えられました。一方で、コンサルはあくまでクライアントの事業を支える仕事なので、『事業を自分で立ち上げて社会に貢献したい』という私自身の軸とは乖離しています。そのことは就活時にある程度理解していたんですが、実際に働いてみてそのギャップの大きさに悩むようになってしまって……」
コンサルの道を進んだことで、安藤さんは自分に足りなかった能力を補うことはできた。しかし、その道が安藤さんに見せた未来は、コンサルタントとしての輝かしいキャリアではない。コンサルタントという職業と「自分の軸」の間に存在した、あまりにも大きな歪みだった。


















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