面接の"とんち問題"では思考力は測れない→グーグルが廃止した深い理由

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反対に、「コストがかかる割に効果が見込まれない」とみなされると、その施策はすぐに廃止の決定が下されます。

前述した「とんち問題」と「学歴システム」は、まさにその一例だったのです。

「グーグルだからできたんでしょ?」という施策はない

これらの「4つのE」のそれぞれにおいて、グーグルではどのような考えにもとづき、どのような施策を実施しているのか。次回の記事から、その取り組みを順次ご紹介していきます。

その前に一つ、伝えておきたいことがあります。それらの施策に「グーグルだからできた」といえるものはほぼありません。

まず、高度な分析スキルを持つアナリストがいなければ、データドリブンな意思決定ができないということはありません。効果を生むデータ分析の多くは、基本的な四則演算や、大学で習うレベルの回帰分析や相関分析などのスキルがあれば十分に行えます。それよりも、日ごろからさまざまな事象に対して「おかしいな」「これでいいのかな?」と気づく感性のほうが大事だと、個人的には思っています。

もう1つ、強調しておきたいことがあります。グーグルの採用戦略チームは、おそらくどの企業よりも数多くの「失敗」をしている、という事実です。

グーグルでは常にデータを起点に施策の立案や見直しが行われ、何らかの施策のパイロット・テストが動いています。効果が認められた施策は正式に採用プロセスに採り入れられ、逆に効果が乏しいと判断された施策はスパッと廃止されます。

トライした数だけ失敗を繰り返している。その失敗から学習し、ムダなこと、効果の薄いことをどんどん排除し、意味のあることにリソースを集中する。このサイクルを高速で回しているがゆえに、「グーグルの採用の仕組みは優れている」との評価を受けているのです。

トライと失敗から学びを得ることなら、どの企業にもできるはずです。したがって、これからお話しする「4つのE」に、「グーグルだからできた」といえるものはない、と信じていただきたいと思います。

採用の仕組みを変えたい――。そのパッションさえあれば、どの会社でも採用をアップデートすることはできるのです。

小川高子 パナリット・グループ株式会社 代表取締役CEO

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おがわ・たかこ / Takako Ogawa

ワークスアプリケーションズ人事部採用チームを経て、グーグル・ジャパンに入社。採用・人材開発業務に従事し、2014年に同社内にてイノベーションアワードを受賞。2015年よりGoogle米国本社人事戦略室にてシニアプロジェクトマネジャーとして、全社的な人事戦略および制度改革を推進。
技術職向け面接DXプロジェクトや、グローバル全社を対象としたJob Analysis、社員同士の学習を促進するpeer to peerラーニングプログラムの立ち上げなどに携わり、人事業務の効率化と成果向上に大きく貢献した。
Googleで実践されていた「データに基づく戦略的で質の高い人事」を、特別な企業だけでなく日本企業のあたりまえにしたいとの思いから、2019年にPanalyt Pte. Ltd.へ共同創業者として参画。同年、パナリット日本法人を設立。2023年よりグループ代表を務める。

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