面接の"とんち問題"では思考力は測れない→グーグルが廃止した深い理由
なお、私の採用戦略チームでの最初のアサインメントは、この「体験」向上のためのチーム立ち上げと戦略を練ることでした。
性別、学歴、人種にかかわらず候補者を平等なスタートラインに立たせ、選考プロセスの公平性を担保すること。とりわけ当時のグーグルでは「ダイバーシティ&インクルージョン(D&I)」の理念が浸透しており、さらに前述した「学歴システム撤廃」の改革がなされたこともあって、この「公平性」が4つ目の大きな柱として確立されました。
トレードオフを克服するカギは「データ」
これらの採用戦略の柱である「4つのE」は、往々にしてトレードオフの関係になることがあります。
例えば「効果」と「効率」。一般的に価値のある人材かどうかを厳格に見きわめようとすると、それだけ選考のフィルターが多くなり、時間やコストがかかります。また、「公平性」を重視することで、もしかしたら「体験」が損ねられる候補者が出てしまうおそれもあります。
では、どのようにこのトレードオフを克服するのか? そのカギを握るのが「データ」です。
グーグル本社のデータベースには、世界中のすべての社員と、選考に臨んだすべての候補者に関するありとあらゆるデータが集約されています。面接での評価、応募から内定に至るまでの所要日数、選考プロセス全体に対する満足度。さらには入社後の勤務態度や実績評価まで……これらのデータは、個人IDにすべて紐づけられています。
これらの膨大なデータをアナリストが日々分析し、面接の方法やプロセスを4つの「E」のあらゆる側面から検証しています。例えば、ある新しい施策を行うことによって「効果」が上昇するインパクトと、「効率」が低下するインパクトを比較して、前者のほうがより大きいのであれば、その施策を実行すべきではないか、というディスカッションが行われます。
このデータドリブンでの意思決定は、グーグルの全部門に共通するカルチャーとして浸透しています。どんなにチャレンジングな提案でも、根拠さえ示せれば「それは確かに一理あるね」と受け入れられ、実行に移されます。


















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