サッポロを悩ます、「極ZERO」騒動のそれから 競合続々で発泡酒や新ジャンルが大苦戦

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サッポロ、極ZERO後は新ジャンルで不発続き

発泡酒として再出発したものの、販売数量にかつての勢いはない(撮影:尾形文繁)

サッポロにとって誤算だったのは、新ジャンルの「麦とホップ The gold」の伸び悩みだったかもしれない。

各社が主力ブランドをそろえるビールや発泡酒と比べ、新ジャンルは、まだ強力なブランドが育っていない。

そのため、新商品の投入やリニューアルが、販売に大きく影響する。サッポロは、昨年に続き今年初めに、新ジャンルで「麦とホップ」のリニューアルを行ったが、販売数量は前期比10%減と低迷した。

3月には同じく新ジャンルで「グリーンアロマ」を投入したが、主要顧客と想定した女性からの支持を得ることができず、わずか3カ月で市場から姿を消した。

ただ、かすかながら希望も見えきた。極ZEROは、今年2月のリニューアル効果が徐々に浸透し、「販売量の減少に歯止めがかかってきた」とサッポロのIR担当者は説明する。新ジャンル「麦とホップ」も今月25日から、派生商品を数量限定で発売する計画だ。

極ZERO騒動の影響をいつになれば払拭できるのか。ひとえに、需要が盛り上がる年末年始での追い込みにかかっている。

中山 一貴 東洋経済 記者

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なかやま かずき / Kazuki Nakayama

趣味はTwitter(@overk0823)。1991年生まれ。東京外国語大学中国語専攻卒。在学中に北京師範大学文学部へ留学。2015年、東洋経済新報社に入社。食品・小売り業界の担当記者や『会社四季報 業界地図』編集長、『週刊東洋経済』編集部、『会社四季報』編集部、「会社四季報オンライン」編集部、『米国会社四季報』編集長などを経て2023年10月から東洋経済編集部(マーケティング担当、編集者)。「財新・東洋経済スタジオ」スタッフを兼任。

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