マンション流通革命の前に立つ業界団体の壁 不動産価格推定サービスは波を起こすか
不動産業界内では「リブセンスが公取協から指導を受けたのは、ソニー不動産と同様に自ら不動産仲介ビジネスを行うことを表明しているからではないか」(競合他社)との見方がある。ネクストのように推定価格の情報提供を行うだけなら、問題はないだろうという読みだが、売り出し中以外の物件も含めて中古マンションの推定価格を手軽に査定できるようになれば、これまで不透明と言われてきた不動産流通ビジネスが劇的に変化するかもしれない。
不動産公取協では「不動産価格の査定サービスをネット上で提供することは問題ない。ルール違反していない限りは指導を行うことはない」(事務局)としている。
国交省では「インターネットを活用して不動産流通市場が活性化することは望ましいので、何らかの対策が必要であれば検討したい」(幹部)としているが、ビジネス環境の変化に既存の不動産業界団体からさまざまな圧力が加わる可能性も考えられる。
一方、巨大な不動産市場への新規参入を目指すIT系企業にとって市場が大きく動き出そうとしている今が勝負の時期。日本市場に適したビジネスモデルを確立してシェア獲得を図りたいところだ。
「何がダメで何ができるのか」
「不動産仲介会社にも参加してもらって新しい不動産売買のプラットフォームを構築したい。何がダメで何ができるのかを早く決めてほしい」(リブセンス新規事業本部・芳賀一生氏)と国交省の迅速な対応に期待する。
はたして不透明と言われ続けてきた不動産流通市場が大きく変化する起爆剤となるのか。消費者の視点に立って利用環境の整備を図っていくことが急務だ。
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