「2万円で買う安心」緊急避妊薬を使った彼女の"心の傷"――薬局での市販化解禁。医師の診察・処方箋なしで買えても残る「性教育」への課題

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その後も議論が続いているなかで、2018年、WHO(世界保健機関)から「緊急避妊へのアクセスは女性の権利であり、OTC(市販薬)化の検討を含め、確実なアクセスを確保すべきである」との勧告が出されました。

こうした流れを受け、厚生労働省は2023年11月下旬から2024年3月末まで、試験的な市販販売を実施。日本薬剤師会によると、試験販売開始から約2カ月間で2181件の販売実績があったと報告されています。

これらの結果を踏まえ、2025年10月に正式に市販化が認められ、2026年2月からの販売開始が決定しました。

市販される緊急避妊薬ノルレボの有効成分は、レボノルゲストレルという女性ホルモンの一種です。性交後に服用することで、主に以下の作用により避妊効果を発揮するとされています。

・性交渉が行われたのが排卵前の場合
  →排卵を抑制し、精子と卵子が出会うことを防ぐことで妊娠を防ぐ
・性交渉が行われたのが排卵後の場合
  →受精卵が着床しにくい状態を作ることで、妊娠を防ぐ

そのため、すでに受精卵が着床したあとに服用しても、効果は期待できません。また、排卵・受精・着床は時間とともに進行するため、服用は性交後72時間以内と規定されています。

ノルレボの使用成績調査では、72時間以内に服用した場合の妊娠阻止率は90.8%で、24時間後・48時間後に服用した場合との有意差はなかったと報告されています。しかし、少しでも早く使うことが推奨されているため、72時間以内で、なるべく早く服用することが大切です。

もちろん、緊急避妊薬は100%妊娠を防げる薬ではなく、服用後に出血があった場合でも、避妊に成功したと断定することはできません。

妊娠の有無を確認するためには、妊娠検査薬での検査、または産婦人科の受診が必要です。確認を怠ると、妊娠に気づく時期が遅れ、中絶可能期間(妊娠21週6日まで)を逃すリスクもあります。

市販化した後の購入方法

これまで緊急避妊薬は自由診療のため健康保険が適用されず、価格は5000〜2万円程度と、医療機関によって大きく異なっていました。それが、今後は1錠7480円(税込み)となるようです。

もちろん、市販薬になったとはいえ、誰でも自由に購入できるわけではありません。以下のような厳格なルールが設けられています。

・研修を修了した薬剤師が在籍する薬局・ドラッグストアのみで販売
・購入前に「服用前確認チェックシート」を使用し、服用可否を薬剤師が確認
・購入できるのは服用する本人のみ
・薬剤師の目の前で服用
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