寒波で注目のキーワード「予防的通行止め」とは? 方針転換で急浸透してきた新しい考え方

✎ 1〜 ✎ 108 ✎ 109 ✎ 110 ✎ 111
著者フォロー
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

縮小

しかし、一旦そのサービスに慣れてしまうと、企業同士の「B to B」であろうと、私たちがかかわる「B to C」であろうと、少しの遅れで不満が生じるようになってしまう。「どんな天候だろうと予定通り定時で運ぶべし」という一部の荷主などの要求もあろう。

日本の物流の多くは自動車であり、交通環境が与える影響は大きい(写真はイメージ、takahiro.048 / PIXTA)

昨今の気象状況を見ると、「便利が当たり前」という前提で人の移動や物流を設計する考えを貫くことが本当によいのかどうか、少し「のりしろ」を考慮する柔軟な、あるいは寛大な思考が求められるのではないか、そんな気もしてくる。

これは高速道路に限らない。たとえば鉄道では、1月16日にJR山手線・京浜東北線などが8時間以上にわたって運休し、大きな影響を及ぼした。

空振りしても「安全」には代えられない

こうした事例を目にするたび、無理して普段通り仕事に行くだけが選択肢ではなく、オンライン作業あるいは有給休暇とし、どうしても必要な場合を除いて出勤しないことも「美徳」とされる社会のほうが、「生産性」も上がるかもしれないと思う。

東洋経済オンライン「自動車最前線」は、自動車にまつわるホットなニュースをタイムリーに配信! 記事一覧はこちら

道路管理者が最大限通行を保証する責務を有するのは当然のことだが、時に命の危険にかかわるような大規模な滞留を防ぐためには、結果として空振りに近い判断だったとしても、それを責めるのではなく、広く受け入れる空気が醸成されるようになれば……。

そんなことを感じる、この冬の高速道路を巡る状況である。

この記事の画像を見る(5枚)
佐滝 剛弘 城西国際大学教授

著者をフォローすると、最新記事をメールでお知らせします。右上のボタンからフォローください。

さたき よしひろ / Yoshihiro Sataki

1960年愛知県生まれ。東京大学教養学部教養学科(人文地理)卒業。NHK勤務を経て、高崎経済大学特任教授、京都光華女子大学教授を歴任し、現職。『旅する前の「世界遺産」』(文春新書)、『郵便局を訪ねて1万局』(光文社新書)、『日本のシルクロード――富岡製糸場と絹産業遺産群』(中公新書ラクレ)など。2019年7月に『観光公害』(祥伝社新書)を上梓。

この著者の記事一覧はこちら
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

関連記事
トピックボードAD
自動車最前線の人気記事