教員不足で疲弊する学校にとって「次期学習指導要領」は理想論か? 学校の選択肢を広げる"画期的な改訂"の中身を実現するために必要なこと

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「どんな学習指導要領でも現場は変わらない」
「そもそも授業時数が減らなければ意味がない」
「ある一部の学校の授業時数が減って、隣の学校が増えるなどがあると、さらに保護者のクレームが多くなって困る」
「もっと文科省が決めてほしい。そもそも人も金もなく、教師の質も下がっている今、何かできる状態ではない」

これらはすべて「否定的な校長先生」たちから聞いた言葉です。ただ、この先生方を責めることはできません。それくらい現場は疲弊しているのです。指導力不足の教員が多くなり、産休・育休・病休の代替教員は来ない中、新しい実践をしたくてもできる状態にないのです。

ただ私は、学校が疲弊していることを重々承知しながらも、「新しい実践は無理だと考えるなら、やりたい人に校長を任せるべきだ」と強く思います。「文科省がやれと言ったからやらねばならない」と渋々展開するような学びは、目の前の子どもたちのためにならないからです。

国から「各地域に応じた授業時数を作っていい」「校長のあなたが子どもたちと教職員のことを考えて時数から変えていい」と言われても、それ自体が負担だと考えるなら、やりたい若手にその席を譲ってほしいと強く思います。

中教審「論点整理」より
次期学習指導要領に向けた検討の基盤となる考え方。学びの可能性を広げる「調整授業時数制度」は大きなポイントだ(出所)中央教育審議会教育課程企画特別部会「論点整理」より

「学校とはこうあるべき」を一度捨ててほしい

次期学習指導要領の実施が始まると、今まで考えられなかったようなクリエイティブな教育方針を出す学校が増えてくるでしょう。来年度の「教育課程柔軟化サキドリ研究校」から好事例が出て、再来年度あたりからどんどん横展開されるのではないかと思います(そうなると信じたい)。

こうした変化が想定される中、保護者や地域の方々にも、「学校とはこうあるべきだ」という考えを一度捨てて学校を見ていただきたいと思っています。わが子が最優先なのは、どの家庭も一緒です。学校では児童生徒がたくさんいるのだからトラブルもあるでしょうし、担任と合わないときだってあるでしょうから、もちろん、保護者が意見してはいけないなんてことはありません。

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