教員不足で疲弊する学校にとって「次期学習指導要領」は理想論か? 学校の選択肢を広げる"画期的な改訂"の中身を実現するために必要なこと

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2024年度に精神疾患で休職した公立学校の教員は7087人(文科省「公立学校教職員の人事行政状況調査」)。現在でも多くの学校が定員より少ない人数で学校を回しています。

教員精神疾患病休数の図

私は約20年間にわたり小学校教員を務め、今は全国の教育委員会や学校で研修や講演を行っていますが、学校現場にはやる気のない先生などほとんどいません。しかし、人員不足で余裕がなく、自分のクラスの運営でいっぱいいっぱい。新しいことなどやれる余裕がないとおっしゃる先生もいます。

研究校を訪れる機会も多いですが、華々しい成果とは裏腹に、いざ中に入ってみると、担任がいない状態が日常化している学校もありますし、管理職が担任をしているところもあります。

特に一部の保護者対応に何日も取られ、授業準備の時間が削られて子どもと向き合う時間が減っていく姿をたくさん見てきました。「本当は、もっと授業を工夫したい」「本当は、もっと子どもの姿を見て考えたい」――そう思っている先生ほど、苦しくなっています。

1人の担任がいないだけで、学校全員が疲弊します。その中で次期学習指導要領の理念を実施しようとしていることを、私たちは強く理解しておかなければいけません。

「安全・事なかれ主義」の文化を壊せるか?

2つ目の懸念は、「安全・事なかれ主義」が伝統的に続いている学校文化を壊せるのかという点です。このまま次期学習指導要領が動き出せば、「どうすればいいかわからない」「自治体が取り組むべきことを決めてくれないと、さらに保護者クレームが来る」などの混乱が起こることが予想されます。

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