日清食品「中国版カップヌードル」好調の理由 プレミアム路線の「合味道」がヒット

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これまで香港を中心に生産・販売していた、袋麺「出前一丁」の上海向け輸出を開始する。2016年6月には、香港で袋麺の新しい生産ラインの立ち上げも予定している。

ただ、懸念材料もある。中国では景気減速のあおりを受け、現地の食品・飲料メーカーは苦戦を強いられている。

苦戦の末に中国での合弁を解消する会社も

日本では高シェアを誇る日清食品。しかし、中国のシェアはまだ6.8%に過ぎず、のびしろがある

現地の即席麺市場で46.6%とトップシェアを誇り、お菓子や飲料も手掛ける康師傅が今月16日に発表した2015年1~9月期(第3四半期)決算は、即席麺の売上高が28.5億ドル(約3500億円)と、前年同期比で約1割の減収となった。

実際に、今年に入ってから、飲料大手のサントリーHDは青島ビールと、スナック菓子のカルビーは康師傅と、それぞれ製造・販売会社の合弁を解消している。ある日系食品メーカー幹部は「中国経済減速の影響はやはり大きい」と語る。

日清食品はかつて、中期経営計画のなかで2020年度までに、海外売上比率30%超の達成を掲げている。中国事業の拡大で、今期にも同比率は20%を突破する見込みだ。減速が心配される中国市場でどこまでシェアを伸ばせるだろうか。

中山 一貴 東洋経済 記者

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なかやま かずき / Kazuki Nakayama

趣味はTwitter(@overk0823)。1991年生まれ。東京外国語大学中国語専攻卒。在学中に北京師範大学文学部へ留学。2015年、東洋経済新報社に入社。食品・小売り業界の担当記者や『会社四季報 業界地図』編集長、『週刊東洋経済』編集部、『会社四季報』編集部、「会社四季報オンライン」編集部、『米国会社四季報』編集長などを経て2023年10月から東洋経済編集部(マーケティング担当、編集者)。「財新・東洋経済スタジオ」スタッフを兼任。

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