日清食品「中国版カップヌードル」好調の理由 プレミアム路線の「合味道」がヒット
そして見落としてはならないのが、中国事業の成長だ。調査会社のユーロモニターによれば、カップ麺市場は日本の約4100億円に対し、中国は約6400億円と世界最大となっている。国内でシェア50%程度を握る日清食品も、中国ではシェア6.8%に過ぎない。
なぜ「合味道」はヒットしたのか
それでも、中国事業の営業利益は2010年度の10億円から今2015年度は41億円に達する見込み。今では日清食品全体の営業利益の約17%を占めるまでに成長した。
中国の成長を牽引しているのは、日清食品が現地向けに開発した「カップヌードル 合味道」(あいみどう)のヒットだ。合味道の仕様は基本的に、日本のカップヌードルと変わらない。
現地メーカーのカップ麺の多くが、かやくやつゆが小袋に入れられているのに対し、合味道はオールインワン。お湯を注ぐだけで食べられることで、簡便さから人気を集めている。
価格は、現地メーカーのカップ麺の多くが4元程度(約75円)であるのに対し、日清食品の合味道は5元(約95円)とやや高め。販売好調の理由はプレミアム路線だけではない。
現地メーカーのカップ麺は大半がどんぶり型だが、合味道は日本で売られているのと同じ縦型。「片手で持って食べられることが珍しく、評価されている」と日清食品の広報は胸を張る。
営業所と卸店を合わせれば、日清食品はすでに中国に60カ所の拠点を構えるが、2016年4月には福建省、2017年1月には浙江省で、それぞれ即席麺の新工場を稼働させる。営業所設置エリアも、昨年末時点の30都市から、年内に33都市へと拡大する。
ユーロモニターによれば、中国における即席麺の総需要のうち、60%以上を袋麺が占めている。日清食品はカップ麺だけではなく、袋麺の販売も強化する方針だ。
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