「1時間並んだ店がまずい」で怒る人が陥る"盲点"――精神科医で僧侶が解き明かす、仕事も人間関係も壊す"しつこい怒り"のほぐし方

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お恥ずかしい話、過去を振り返れば、私もたくさんの煩悩に振り回されて生きてきました。

僧侶といえども元は凡夫。煩悩が渦巻く世の中においては、仏教徒にも俗な心が忍び込んでくるものだという経験もしました。怒りがわくことも多々ありました。

怒りの連鎖を断ち切るために

●怒りに対してもっと慎重になる

とはいえ、怒りに振り回されると悪循環に陥るだけです。

怒りの連鎖を断ち切るためには、大前提として、怒りの種は日常のありとあらゆるところに存在している、ということをしっかり理解すること。また、どんな人でも怒りの連鎖に巻き込まれる可能性があるということをしっかり知ること。

そして、怒りに対してもっと慎重に生きていく──。それが大切です。

みな、「この世が思いどおりにならないことくらいよくわかっているよ」というでしょう。それでもやっかいなことに、頭でいくら理解していてもさまざまなことに勝手に期待し、依存して、そして思いどおりにいかずに怒りまくっているのです。

そのことをよく知る――。

それが怒りから解放されるための要諦なのです。

●ストレスと脳の深い関係

人間には、物事を思いどおりにしたい、期待どおりの結果を得たいという本能的な欲求があるとお話ししましたが、現代の脳科学では、この欲求には「扁桃体」が大きく関わっていると考えられています。

扁桃体は、感情やストレスに関係する脳の重要な部分で、大まかにいうと、何か物事に対して、それが「快」か「不快」かを判断します。

扁桃体が「快」と判断すると、脳幹にある神経核からドーパミンが分泌され、「もっと欲しい」という欲求が生まれます。一方、「不快」と判断すると、それを「排除したい」という反応が起こります。

この仕組みは、人類の生存に不可欠な適応メカニズムです。これまで人類は、生きるのに都合のいい「快」を受け入れ、不都合な「不快」を排除することで生命を維持してきたからです。

不都合な「不快」を排除する仕組みが「ストレス反応」です。ストレス反応があったからこそ、太古の昔から人類は生き延びることができたわけです。

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