ルーブル美術館もアメリカの国立公園も導入 世界で加速「二重価格」の波は日本でも広がるのか?
これらの国は、主に外貨獲得を目的に自国よりも豊かな国からの来訪者に、地元の感覚からすれば高額な料金を設定している。同様の国はほかにペルー(マチュピチュなど)、カンボジア(アンコール遺跡群など)が挙げられる。
筆者は、2025年9月にフランスを、この年末年始に中東のヨルダンに出かけたが、その時点でフランスでは、26歳以上の一般の入場料について、居住国の違いでの「二重価格」を設定している観光地は見なかったし、それは近年訪れたほかの欧州・オセアニア諸国(ドイツ、オーストリア、チェコ、オーストラリアなど)でも見なかった。
先進国では国籍や居住国による料金の差はほぼなかったといえる。ちなみにフランスの名目GDPは4万6187ドル(日本のおよそ1.4倍)で世界27位である。
ヨルダンでは20倍以上の差があった
一方、ヨルダンはGDP4693ドル(世界124位)の国で、やはり観光地では二重価格が存在した。
世界でも最大級のローマ時代の都市遺跡が残るジェラシュでは、外国人が10ヨルダンディナール(約2250円)、ヨルダン人は0.5ディナール(約110円)と20倍の差があったし、赤い砂漠として知られる世界遺産「ワディ・ラム」では、ヨルダン人およびヨルダン居住者が1ディナール、それ以外の外国人が7ディナール(約1500円)とやはり大きな差があった。
一番驚いたのは、ヨルダン最大の観光地「ペトラ」である。1989年に公開された映画『インディ・ジョーンズ 最後の聖戦』の終盤のシーンで、主人公が探していた「聖杯」が隠された場所としてロケ地になったことで、世界的に有名な観光地になったところである。ここでは入場料が5段階に分かれていた。
最も安いのがヨルダン人で1ディナール、次が1年以上ヨルダンに住む外国人で10ディナール(約2250円)、その次が「アラブ国籍」となっていて、ヨルダン周辺のアラブ諸国(サウジアラビア、UAE、レバノンなど)からの観光客で30ディナール(約6700円)。
さらに私たちのようなそれ以外の外国人でなおかつ1泊以上ヨルダンに宿泊する観光客が50ディナール(約1万1300円)、そして最も高いのがヨルダンには1泊もしない日帰りの観光客で、なんと90ディナール(約2万円)。ヨルダン人の90倍である。
ただし、アラブ諸国以外でなおかつ日帰りでペトラに来られる国を思い浮かべると、おそらくイスラエルしかない。イスラエルからであれば死海の南に広がるヨルダン地溝帯を経て2時間かからずに来られる場所もある。


















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