電車が海の上を走る、英国「桟橋鉄道」なぜできた? 19世紀に誕生、陸から遠く離れた船着き場への足
その後、1825年に本土側の軍港・ポーツマスとつなぐ定期蒸気船が運航を開始する。同年はイギリスに鉄道が走り出した年で、2025年はちょうど定期船運航200周年の節目だった。
長い桟橋の先にある船着き場と陸上を結ぶ交通機関として、まず整備されたのは現在も走っている鉄道とは別の鉄道「ライドピア・トラムウェイ」だった。
1864年に開業したこの路線は島内を走る鉄道とは直結しておらず、船と陸地の連絡に特化していた。当初は馬車鉄道だった同線は1886年に電化され、1927年からはガソリンエンジン、その後ディーゼル動力に変更。1969年まで走り続けた。現在、線路の跡は歩行者用の桟橋となっている。
大英帝国最盛期に開業した「桟橋鉄道」
現在まで走り続ける「桟橋鉄道」が動き出したのは1880年。こちらは桟橋だけでなくワイト島内の鉄道に直通し、さらに連絡船と接続してイギリス本土と直結するルートとして誕生した。
時代はヴィクトリア女王の在位(1837〜1901年)中盤、大英帝国が最盛期を迎える局面である。産業革命によって鉄道と蒸気船が「日常の移動」として社会に組み込まれ、こうした乗り物の存在を前提に生活が再設計されていった時代でもあった。
ちなみにヴィクトリア女王はワイト島をこよなく愛したことで知られ、1845年には同女王夫妻が島内に離宮「オズボーン・ハウス」を建てたという歴史もある。


















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