創刊5年で27万部のイケイケ新聞があった バイラルっぽい新聞紙「i」が英で人気
最新記事の一覧は、ページの左側に「list」という形で、用意されている。それぞれの記事をクリックすると、詳細を読むことができるが、デザインは変わらないため、ページの読み込みにあまりストレスを感じさせない。
5人体制の「i100」編集部は、「i」紙と「インデペンデント」紙の記事にもとづいて、チャートやデータイメージを作成し、テキストの比重を軽くすることで、SNSでシェアしやすい記事に仕上げている。シェア数の多い記事は、左側の「list」の上部に掲載されることで、読者間の交流も促しているという。
ヴァージン・メディア社がスポンサーとなったネイティブアド「Netflixでいまストリームするべき名作映画20本」は3日連続で閲覧数トップとなり、Facebookでのシェアも1500回に達した。もっともシェアされた記事のひとつになったそうだ。
記事の硬軟は、バランス良く
だが、最新記事の一覧である左側の「list」の一部を、記事ランクの高低で読者の手にゆだねてしまえば、編集方針の一貫性が揺らぎかねない。そう指摘するのはマーケティングエージェンシー、ルーファスレナードのマネージングディレクター、アレック・ブーレ氏。「笑える記事や、びっくりするような記事、ショッキングな記事ばかりがトップに跳ね上がるようになるのがオチだ。質の高いニュースを読むため、いずれオーディエンスはほかのパブリッシャーへ流れてしまう可能性はある」と、同氏は言う。
バイラルコンテンツに照準を合わせ、クリックと読者を集めることへの誘惑は確かにある。だが、「i100」のチャンピオン氏によれば、課題は、真面目なニュースメディアと話題性重視のネタの間のバランスを取ることだという。
「どちらにも偏りすぎないようにしてきた」と、ダフ氏は言う。「軽いバイラル記事も掲載するが、2番目に読者数が多かった1月は、シャルリー・エブド事件(2015年1月7日、フランスの週刊誌『シャルリー・エブド』でジャーナリストがイスラム過激派の武装した兄弟によって襲撃された事件)を報道したものだ。真面目なニュースを伝える重要性も理解している」。
Lucinda Southern(原文 / 訳:ガリレオ)
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