転機は10年ほど前に訪れる。「ちゃんとラーメンを作ってみよう」と思い立ち、本格的に研究を始めた。3年で塩ラーメン、5年で醤油ラーメンが完成。「これなら店ができるかもしれない」。そう思えたことで、漠然とした夢が、現実的な目標へと変わった。
「エチオピア」には数年前から「そのうちラーメン屋をやるので辞めます」と伝えていた。20年間第一線で活躍してきた森さんが、まったく別の世界に飛び込む。その決断に周囲は驚いたという。繁盛店を回し続ける体力的な厳しさもあり、「自分の店をゆっくりやりたい」という思いが独立を後押しした。
「怖さはなかったです。やるか、やらないかだけでした」(森さん)
物件探しに1年。土地勘のない駒込で今の店と出会い、前店舗の製麺機や切り刃を譲り受けた。
「時間がかかっても、お客さんは来てくれるだろうっていう、根拠のない自信がありました」(森さん)
「新人」とは思えない…数十年の歴史を感じる味
そして開店。ラーメン業界にとっては「新人」だが、飲食業界全体で見れば、完成されたプロが別競技に参戦したような状態だった。
店名の「3000」は、100個以上考えた末に辿り着いた数字。シャワー中にふと浮かび、サン・ラのアルバム『DISCO 3000』からインスパイアされた。覚えやすく、音の響きも良く、検索もしやすい。「らーめん」をひらがなにしたのは、画数の縁起を担いでのことだ。
オープン初日、特に告知はしていなかったが、知り合いが次々と食べに来てくれた。誰かが見つけてXで投稿してくれたらしい。結果、初日から忙しいスタートとなった。私はオープン2日目、たまたまこの店を訪れ、その完成度に言葉を失った。迷いなく「今年オープンの新店でトップオブトップクラス」と書き、Yahoo!ニュースで発信したほどだ。


















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