エニタイムともチョコザップとも違う「ホームセンター型」で急拡大した24時間ジムの正体→月額2980円の安さを実現した3つの理由

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一方で、FIT365はホームセンターのような総合型の店舗を作っている。なぜこのような戦略を採用しているのだろうか。その背景にはブランド立ち上げ時の経緯がある。

FIT365を展開するヤマウチはオカモトホールディングスの子会社だ。オカモトホールディングスは北海道の音更町に本社を置く企業で、ガソリンスタンドやリサイクルショップなど郊外の土地を活用した店舗ビジネスを営んでいる。

もともとフィットネス事業にも取り組んでおり、スポーツクラブの「JOY FIT」を全国の駅近やイオンモールに展開してきた。

また、フィットネス事業を成長させるために、2年に1回のペースで社長を含めた役員が海外ジムの視察を実施。ドイツやオランダなどのヨーロッパで800坪を超えるジムが点在している様子を見て、新しい24時間ジムの事業を計画した。

「海外では大型のフィットネスジムで運動をする文化が根づいているんですよね。1店舗の会員数が1万人を超えているジムもありました。当時の日本のフィットネス人口は約4%でしたが、ヨーロッパは約20%です。気軽に利用できる大型の24時間ジムを日本に作って、フィットネス人口を増やしたいと考えたんです」

しかし、「大型フィットネスジム」というコンセプトだけでは魅力を十分に打ち出せているとは言えない。そこで考案したのが家族4人まで2980円(税込3278円)のプランだ。家族が同じ時間帯に利用することはできないが、祖父母や孫を含めた2親等まで家族会員となれる。

こうして「家族4人でお得に通える24時間ジム」というコンセプトが完成した。北海道・旭川市に1店舗目を2015年にオープンすると、ブランド立ち上げからの5年間で全国に50店舗以上の出店を果たした。

FIT365の看板
看板もそれをわかりやすく訴求している(写真:筆者撮影)

安さを実現した3つの理由

家族4人で2980円(税込3278円)の料金プランは格安だ。単純計算で1人の会費は745円(税込819円)。1カ月に2回通うと市営のスポーツジムを利用するよりも安くなる。どのようにしてこの価格を実現しているのだろうか。その背景にある3つの取り組みをひもといていきたい。

1.シャワー室を作らないことによる変動費削減

FIT365では基本的にシャワー室を設けていない。このことによりガス契約が不要になり、基本料金も削減することができる。さらに、水回りの掃除も不要になるため、スタッフの人件費削減も実現している。

「シャワー室はカビが発生しやすい場所なので、丁寧に清掃をする必要があります。スタッフの負担も大きく、工数もかかります。低価格のプランを実現することを考えた時にシャワー室の削減を決めました」

この判断を下したのには理由がある。オカモトホールディングスでは「JOY FIT」というスポーツクラブを全国で展開している。このスポーツクラブは駅近やイオンモールなど人通りの多い場所への出店が多く、シャワー室も設けている。

しかし、シャワーの利用率は約10%。新規に立ち上げるFIT365ではシャワー室がないことによる影響は少ないと判断したそうだ。

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