イクラの価格が平成以降で最高値を記録…しかも「粒が小さくなった」 日本では大不漁でアメリカやロシアからの輸入頼りになった残念すぎる事情

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サケが減っていく理由を調べていくと、減らないアメリカ(アラスカ)と減り続ける日本では、大きな違いがあることがわかります。それは孵化放流に関する考え方の違いです。

日本とアメリカのサケ資源に関する考え方の違い(画像:筆者作成)

日本では人工孵化による種苗生産と稚魚放流を重視しています。一方でアメリカでは自然産卵を重視しています。種苗生産は補助的な役割に過ぎません。エスケープマネジメントといって必要な自然産卵のために遡上するサケの数量が確保されるまでは漁業をしないというものです。またアメリカでは自然産卵のための生息地の改善に大規模投資が行われています。

サケの遡上を止めてしまうウライと呼ばれる柵(北海道・千歳川)(写真:筆者提供)

一方で日本では、孵化放流のためにウライ(遡上するサケを捕獲するための漁業施設)を設置して川を堰き止めたり、下の写真のように護岸などによりサケの遡上を困難にしたりしている場所が存在します。すぐそばに河口が見える川で生まれたサケが親魚になることは、稚魚が隠れる場所さえなくほぼありません。

海外で漁業を成長産業にしている国々での資源管理の基本は、産卵できる親の数量を確保することにあります。産卵できる親の数量が十分でないと、産卵する量が減ってしまいます。もちろん環境の変化などによって卵から孵化して生き残れる量は年によって変化します。しかしながら、親が少なければ、そもそも卵の量が減るので、資源が減ってしまう可能性は当然のことながら高くなります。

遡上できずに河口が見えるような川で産卵するサケ (写真:筆者提供)

自然産卵優先が有効

調べていくとサケの大不漁が続く北海道で、やはり資源管理の手法をアメリカのように自然産卵にすべきだったデータが出てきます。

2025年は全体としてサケの漁獲量は1980年の統計開始以降最低だった前年(2024年)の3割漁という大不漁です。しかしながら地域別にみると同じ北海道内で激減どころか逆に大幅に増えている地域がありました。

それはえりも以西(胆振、日高管区など)として分類されている地域で、漁獲量は578トン(2024年)から1137トン(2025年)と前年比で2倍です。さらに他地域での水揚げが減って単価が高騰しているので、水揚げ金額は前年の3倍です(データ・水産資源研究所・さけます部門)。

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