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イクラの価格が平成以降で最高値を記録…しかも「粒が小さくなった」 日本では大不漁でアメリカやロシアからの輸入頼りになった残念すぎる事情

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  • 片野 歩 Fisk Japan CEO/東京海洋大学 特任教授
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輸入データではイクラの種類別がわからないため推測になってしまいますが、2025年7月から10月に輸入されたアメリカ産の魚卵は10月までで7302トンと、前年(2024年)同期の2698トンの2.7倍でした。

その大半はマスコであると推測されます。2025年のアメリカでのカラフトマスの漁獲量は17万トンと前年の5.6万トンの3倍。供給が増えているのに価格はキロ4236円と昨年の1.5倍なので、アメリカ側は、日本での大不漁さまさまだったことでしょう。

なぜアメリカやロシアのサケは減らないのか?

そうはいっても店には価格が高騰しながらもイクラが並びます。それは日本のサケの不漁を受けてアメリカ(アラスカ)やロシアから輸入しているからです。

サケ類(太平洋)の国別漁獲量推移(出所)NPAFC

アメリカやロシアのサケの漁獲量は、凸凹はありますが中長期的に見て減っていません。2025年のデータでは減るどころか、激減する日本のサケとは対照的に、逆にアラスカ州では2割、ロシアではエリアにより1~6割増加しています。日本のサケの不漁のおかげで、輸入先のアメリカやロシアは経済的に潤うという皮肉な構造なのです。

不漁の原因としてよく挙がってくるのが海水温上昇です。海洋熱波・黒潮大蛇行なども出てきます。海水温上昇はもちろん魚の資源の増減に影響します。筆者も影響がないとは言いません。

ところで、サケが獲れない理由が海水温上昇という割に、2025年は九州の冷蔵庫に小サバが入らないくらい漁獲されています。また海水温が高いはずの太平洋側の海域で、スルメの漁獲量が予想外に伸びて漁獲枠が足りないといった問題が起きています。サンマが例年より獲れたニュースも記憶に新しいかと思います。

こうやって海水温上昇と様々な魚種の漁獲状況を比較して俯瞰的に考えると、多くの疑問符という矛盾が出てきます。

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【資源管理の手法をアメリカのように自然産卵にすべき】

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