「政治とカネ問題に決着を」──公明党・西田実仁幹事長が明かす、自公連立解消の"舞台裏"と高市政権・台湾有事への大きな危機感
──安全保障についても伺わせてください。高市総理が国会で台湾有事の「存立危機事態」について踏み込んだ答弁をしたことが議論を呼んでいます。
総理大臣は自衛隊の最高指揮官であり、防衛出動を命じる唯一の存在です。その発言は極めて重い。私は10年前の平和安全法制の際、いわゆる「インナー」として法案作成に携わりました。「明白な危険があるとき」という要件ひとつをとっても、なぜ「おそれ」ではなく「危険」なのか、なぜ「明白な」という言葉を足したのか。相当時間をかけてきめ細やかに理屈を積み上げて言葉を選んで作り上げてきました。
なぜ「こういうケースなら必ず出動する」と明言せず、「総合的に判断する」という表現に留めるのか。それは曖昧にしたいからではなく、日本の防衛上の「手の内」を相手に見せないためです。
──戦略的に伏せておく必要があるということですね。
その通りです。こうしたらこうする、と事前に宣言してしまうことは、相手に「それ以外なら攻撃しても大丈夫」というメッセージを与えかねません。安倍総理以来、一貫して「総合的に判断する」という答弁を貫いてきたのは、それが日本を守るために最も正しい姿勢だからです。高市総理に対しても、その伝統的な慎重さが必要だったと私は思います。
現在は高市総理の下で、「従来の方針と完全に一致している」という閣議決定を改めて行い、いわば答弁を上書きする形で政府方針を明確にしています。中国側に対しても、この閣議決定に基づいて誤解を解く努力を尽くすべきです。
「対話の仕組み」づくりが大きな抑止力となる
──私たち国民は、台湾有事というリアリティにどう向き合うべきでしょうか。
現実的なシミュレーションは絶対に必要です。自衛隊がどう動くのか、アメリカはどう動くのか。専門家による机上演習や議論は、国民の理解を深めるためにも重要でしょう。
しかし、最も大事なのは「起こさせないこと」です。抑止力(防衛力)と外交は車の両輪です。私がもし総理大臣になったらやりたいことのひとつに、「北東アジアの常設対話機構」の設立があります。
残念ながら今のアジアには、常に顔を合わせる対話の仕組みがありません。案件がなくても大使級が常駐し、常に意思疎通ができる場を作る。日本の周りの安全保障環境は極めて厳しいからこそ、こうした外交努力を徹底しなければなりません。
──私たち一般市民にできることはありますか?
民間の交流や対話こそがすごく大切です。「この国には親しい友人がいる」という実感こそが、心の中に平和の砦を築きます。知らない人同士ならゲームのように感じてしまうかもしれませんが、知っている人同士であれば、そうはなりません。
対外的な対話の仕組みづくりと、国内における人口減少社会へのインフラ維持。この両面から日本の未来を支えるトータルな像を示していくことが、これからの政治に求められていることだと思います。
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