702号室で重要な会議が行われるような場合、来館するのはもちろん車で来る偉い人。そして昭和の時代、そこには必ず運転手がいた。
その待機場所として、ちゃんと控室まで用意されているのである。
こうしたところにも、鉄鋼会館ならではの昭和の空気が、さりげなく残っているのだ。
北野さんに聞く、ビルの1番の推しポイント
正直に言うと、最初は「どうしてこんな地下に?」と思ってしまった。
だが、話を聞いて納得。
竣工当初、この事務所は1階エントランス近くにあったそうだ。
それを「いい場所はテナントに使ってもらったほうがいい」という考えから、あえて地下2階へ移したという。
こういうところにも、鉄鋼会館らしい実直さというか、心意気を感じてしまう。
最後に、北野さんに「このビルの1番の推しポイント」を聞いてみた。
少し考えたあとに返ってきた答えは、「耐震性能」だった。
鉄鋼会館は1966年竣工だが、当時の構造のままで特別な耐震補強をしなくても現在の新耐震基準を上回っているという。
1960年代といえば、東京オリンピックに向けてオフィスビルが次々と建てられた時代。中には、質よりもスピード優先でつくられた建物も少なくない。
そんな中で、鉄鋼会館は鉄鋼業界の誇りを背負い、品質と技術を追求してつくられた「鉄の殿堂」だ。
だからこそ、半世紀以上経った今も、こうして堂々と現役であり続けているのだろう。
いつまでも残ってほしい、昭和の名建築である。
(編集:高部知子)
記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら
印刷ページの表示はログインが必要です。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら


















無料会員登録はこちら
ログインはこちら