9階に広がるのは、かつてレストランとしても使われていた大宴会場だ。現在は通常営業は行われておらず予約制となっているが、この日も夜のパーティーに向けた準備が進められていた。
独特な天井と、柱が一本もない空間
ニューオータニの料理が提供されるというこの空間で、まず目を奪われるのは、間違いなく天井である。
これが、当時世界初と言われた「パイプ菱目張構造」だ。
よく見渡してみると、ふつうのビルであれば必ずあるはずの柱が、どこにも見当たらない。
実はこの大空間、天井と屋上の荷重を、あの太いパイプだけでまるごと支えているのである。
どういうことか。
窓の外に出てみよう。
直径は約60センチ。 この鋼管をクレーンで最上階まで吊り上げ、現場で熟練の職人たちが延長約10キロメートルにも及ぶ溶接を行い、組み上げたという。
筒状の曲面を狂いなく、しかも長距離にわたって溶接していくという、極めて難易度の高い工事だったはずだ。


















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