不倫→離婚でも「子育てで協力」できる人がいる意外な理由 「共同養育」がなかなかうまくいかない親の特徴は?

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りむすびが10月に発表した「離婚の歩き方ロードマップ」。これまで培ったノウハウを活かし、父母の尊重協力を実践する道しるべとなるように設計されている(画像:しばはしさん提供)

私の知人のシングルマザー(日本在住)が「たまにかわいそうとか大変そうという目で見られることもある。でも、うちは元夫と近所に住んで半々宿泊で育児しているから、実は結婚している人よりも自分の時間が取りやすかったり仕事がしやすかったりするんだよね」と話していて、なるほどと思ったことがあります。共同養育がうまくいくと、そういうメリットもあるのです。

離婚してから関係が改善し協力し合える人も

とはいえ、日本で離婚後に半々共同養育している家庭はかなりのレアケース。マンガに描いたように、共同養育がうまくいかないケースも多数あります。しばはしさんは「残念ながら、攻撃的な姿勢が変わらず、歩み寄る気が全くない場合は支援自体を終わらせてもらうこともあります。ただ、すぐには歩み寄れなくても関係改善したいと思っている方、歩み寄りたいけどどうしても怒りが湧いてきちゃうという方は、変わっていける可能性があるし、お手伝いをしたい」と言います。

さらに、しばはしさんは「結婚しているときに協力しあえなかったのに、離婚するような夫婦が協力できるわけないじゃないか、と思われる人もいるかもしれませんが、必ずしもそうじゃないんです。別々に住み、夫婦関係じゃなくなることで関係が改善し、夫婦のときはできなかったことができるようになった人もたくさん見てきました」とも言うのです。

些細なやりとりでモメてしまう場合は、やりとりを「りむすび」スタッフが見守る「LINE見守りサポート」を利用することもあるそう。確かに第三者が入ることで、冷静に話し合いができることはありそうです。ちなみに、近年では別居親が女性というケースも増えているそうです。

とはいえ、こういったサービスは全て有料なので、利用できる人は限られます。金銭的に余裕はあってもサービス利用に抵抗がある人もいます。なので、意見の相違を多く抱えている元夫婦で、第三者支援にも頼れない場合、平和な共同養育はかなり高い壁だと思ったことも事実です。今回の取材であらためてよくわかったのは、共同親権・共同養育を国が推進したいのであれば、公的なサポートにももっと力を入れるべきだということでした。

ハラユキ イラストレーター、コミックエッセイスト

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はらゆき / Harayuki

雑誌、書籍、広告、Webなどの媒体で執筆しつつ、コミックエッセイの著書も出版。2017年から約2年間バルセロナに住んだことをきっかけに、海外取材もスタートさせる。著書に『女子が踊れば!』 (幻冬舎)、『王子と赤ちゃん』(講談社)、『オラ!スペイン旅ごはん』(イースト・プレス)、この連載を書籍化した『ほしいのはつかれない家族』(講談社)など。この連載のオンライン・コミュニティ「バル・ハラユキ」も主宰し「つかれない家族をつくる方法」を日々探求、発信中。ハラユキさんのHPはこちら

 

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