「指示待ち部下」に悩むリーダーが気づくべき部下の深層心理

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上司と部下のイメージ
指示待ち部下は「怠惰」なのではない――部下がリーダーに支配されたがる心理を探ります(写真:Elnur/PIXTA)
「なぜ、あなたのマネジメントは罰ゲームなのか」
多くのミドルマネジメントが「罰ゲーム」のような疲弊感に苛まれている。よかれと思ったことが裏目に出る。矛盾した要求の板挟みになり、身動きが取れなくなる。部下の「ちょっとご相談いいですか」という声に、「また仕事が増える」と一瞬身構えてしまう自分に気づき、自己嫌悪に陥る。
「長く続いた疲弊は、やり方を変えれば、終わらせることができるのです」――。話題の新刊『マネジメントの原点――協働するチームを作るためのたった1つの原則』では、連続起業家×AI研究者×投資家の堀田創氏による「マネジメントの負担を軽くする科学的方法論」を紹介している。本書に掲載された生々しい事実から、今回は「指示待ち部下との向き合い方」について紹介する。

部下は「無意識のうちに支配されたがっている」

マネジメントの原点: 協働するチームを作るためのたった1つの原則
『マネジメントの原点: 協働するチームを作るためのたった1つの原則』(書影をクリックすると、アマゾンのサイトにジャンプします。紙版はこちら、電子版はこちら。楽天サイトの紙版はこちら、電子版はこちら

なぜ、自律性が重んじられる現代において、自らの意思決定を他者に託すような部下が後を絶たないのでしょうか。認知科学の視点から見れば、その正体は怠惰ではなく、責任という心理的負担からの逃避です。

人間には、思考や感情を絶対的な事実だと信じ込む「認知的フュージョン」という心の働きがあります。「失敗してはいけない」「責任は自分で取るべきだ」といった思考に強く縛られると、自ら判断を下すことが生存を脅かすリスクとして認識されます。

その結果、部下にとって他者の指示に従うことは、責任を分散し、失敗のリスクを抑えるための最も安全な生存戦略となってしまうのです。つまり、あなたが丁寧に指示を出せば出すほど、部下は「自分で考えないほうが楽だ」という依存のループを強化させていくことになります。

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