零下20度ぐらいか。しかも、太陽の出ていない夜。さらに強風――。
メルセデス・ベンツの人気SUV「GLB」の新型が発表されたのは、オーストリアの山の中だった。
私が立ち会ったお披露目は、2025年11月の終わり。ホッホグルグル(Hochは“高い”を意味するドイツ語、Gurglは土地の名前)という、現地では人気のスノーリゾートが舞台だった。
大胆な発表会の理由は、日常生活における使い勝手のさらなる向上が眼目、とうたわれているせいだろうか。
それとも、GLBなら家族で楽々スノースポーツに出かけられるよ、と言いたかったのだろうか。
「積雪でもなんの問題もないです」とは開発担当者が現地で言っていた。
「2本立て」となった新型GLBのラインナップ
この新型GLBでは、室内のパッケージが見直されるとともに、実用域での走行性能の向上がうたわれている。
日本でもヒットしているのは、適度なボディサイズと3列シートをそなえる使い勝手のよさが人気の理由。だが、今回はそこに加えて新しいシャシーと新しいエンジンを得た。
全長約4.7mと大きすぎないサイズのボディに、7人乗りまで設定された多様性。燃費も向上している。
一方、モデルラインナップは統合整理。2022年から日本で販売されてきたピュアEVの「EQB」は、今回「GLB with EQ Technology」と変わり、「GLB」との2本立てとなる。
GLB with EQ Technologyのボディディメンションを従来のEQBと比較すると、全長で48mm長く、全幅で27mm幅広く、全高は14mm低くなっている。ホイールベースは60mm延長された。
私は、東京だと冬でも暑いぐらいなので、ほとんど着る機会のない厚手のフーデッドパーカを着込み、さらにキャップに手袋と重装備でのぞんだ。それでも寒い。
歯が鳴りそうなのをこらえているうちに、定められた時間がやってきた。パッとまぶしい照明が雪の積もった路面を照らすなか、新型GLBが自走で登場した。


















無料会員登録はこちら
ログインはこちら