米国・イスラエルvs.イラン、戦争の可能性は低い

この数週間で、米国、あるいはイスラエルがイランと軍事衝突を起こす懸念はかなり遠のいた。

イランは、核開発計画について、ある程度自制する姿勢を示した。

この背景には、米欧による経済制裁が効果を示し、イラン経済が大きな打撃を受けている事実がある。イランには柔軟な物の見方をする厚い中間層が存在する一方、現実に政治を支配しているのは保守的な宗教指導者だ。だが彼らも、経済基盤の揺らぎによって地位が脅かされることには用心深くならざるをえない。

イスラエルでも戦争に異議

またイスラエルでは、核開発の疑いがあるイランの施設を攻撃すべきだという見解に対し、政治家や諜報関係者から大きな異議が出ている。

イスラエル前首相のエフード・オルメルト氏は最近のワシントン訪問の際、ベンヤミン・ネタニヤフ首相を厳しく批判した。オルメルト前首相はネタニヤフ首相について、パレスチナ人との接触を模索することを怠り、米国のオバマ大統領を侮り、イランの核開発計画に対し国際的連携を構築するイスラエルの取り組みへの信頼性を傷つけている、と非難した。

一方ワシントンでは、オバマ大統領が三つの課題に取り組んでいる。

第一に、米国の外交政策を東アジア重視へと回帰させること。これは大統領就任当初からの計画だ。大統領の最も親しい側近の一人、マーク・リッパート氏(中国留学経験がある)は最近、上院からアジア・太平洋地域担当の国防次官補就任のための承認を得た。

政治・経済の人気記事
トピックボードAD
関連記事
  • 子どもを本当に幸せにする「親の力」
  • 新型コロナ、長期戦の混沌
  • 角田陽一郎のMovingStudies
  • ポストコロナのメガ地経学ーパワー・バランス/世界秩序/文明
トレンドライブラリーAD
人気の動画
東芝、会社「3分割」に残る懸念
東芝、会社「3分割」に残る懸念
ウエルシアがイオンと挑む「ドラッグストア飽和」打破の勝算
ウエルシアがイオンと挑む「ドラッグストア飽和」打破の勝算
百貨店の最終兵器「外商ビジネス」が抱える難題
百貨店の最終兵器「外商ビジネス」が抱える難題
節約志向で「安い食品ばかり買う」人の重大盲点
節約志向で「安い食品ばかり買う」人の重大盲点
アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
  • シェア
トレンドウォッチAD
「非財務」で生きる会社、死ぬ<br>会社 企業価値の新常識

今や株価を決める最大の要因は「非財務情報」というのが世界の常識に。優れた開示を行えば企業価値の向上につながる一方で、開示が不十分だと株を売られるリスクも。企業価値の新常識をめぐる混乱とその対処法に迫りました。

東洋経済education×ICT