マツダCX-80「月販1000台未満」挽回の可能性は? 強豪ひしめくプレミアムSUV市場で戦うマツダのフラッグシップ
CX-8は、言ってみればCX-80の実質的な先代で、FFベースのプラットフォームに3列シートを備え、300万~500万円で販売されていた。
全長は約4.9mで、CX-80とは10cmも違わない。価格はCX-80よりも100万~200万円ほど安かった。
そんなCX-8は、モデル末期の2023年1~6月であっても8539台を売っていた。発売直後には、3万台を売った年もあった。そして、その後も年間1万5000台前後でコンスタントに売れ続けていたのだ。
つまり、CX-80の「半年で5837台」「1年で約1万3200台」という数字は、壊滅的に悪いわけではない。けれども、デビュー翌年のモデルとして、モデル末期のCX-8に届かないのは、ちょっと寂しいと言えるだろう。
単体ではなくトータルで考えてみると
CX-80の発売1年の数字を見ると、さすがに厳しいものはある。しかし、一概に失敗とも言えない。なぜなら、CX-80は、ラージ商品群のひとつ。つまり、単体ではなく“群”で勝負するモデルだからだ。
これまでCX-8の1車種でカバーしていたところを、CX-60、CX-70、CX-80、CX-90の4車種に拡大した。ひとつでは足りなくとも、4モデルでカウントすれば、大きなプラスとなるのだ。
実際、海外向けのCX-90だけでも、2025年1~6月に3万4932台(前年比-5.4%)を輸出している。
2024年度のグローバルでの販売台数は、CX-90が7万8422台、CX-70が2万342台。この2台だけで、10万台近くを売っている。年間販売が130万台ほど(2024年度)のマツダにとっては、十分に大きな数字だ。
ちなみに、北米・中国向けの新型「CX-50」は、2024年度で11万2894台も売れている。年間34万6050台のCX-5の派生モデルとしては大成功といえる。マツダの海外市場向けのモデルは、うまくいっているのだ。
国内でのCX-80は成功といえるのか?
CX-80の日本市場の販売が、もの足りなく感じるのは仕方ないだろう。CX-8の後継として、“同じだけ売れてほしい”というのであれば、その答えは残念ながら失敗ともいえる。
しかし、“車格を高めて、新たなステージで戦う”という意味では、そうともいえない。


















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