韓国・中堅企業の人材獲得作戦、好待遇と動機づけがカギ

初年度年収が3500万ウォン(245万円)、通常より多い有給休暇、医療保険の全額負担……。韓国の中小企業の中には、人材確保のために、サムスンやLG、現代自動車といった大企業もびっくりの優遇策を設けるところがある。

そんな企業に共通しているのは、好待遇に加え、「そこで働く動機」が得られるような企業風土があることだ。

「人がまったく集まらない。このままでは、会社を閉めるほかない」。釜山のある部品メーカーの経営者は嘆く。生産は順調で、年商が70億円に達しようというこのメーカーでも人材不足に悩む。地方都市にあって知名度もない。学生に高給与を提示しても、すぐに大企業に逃げられてしまうという。

その一方、実力ある人材を迎え入れ、業績を伸ばす中小企業がある。セキュリティ用品のメーカーである「シュープリマ」。ここでアルゴリズムの研究をするパク・ボゴン責任研究員はサムスン電子から転じた。人の顔を認識する機器を開発し、売り上げ拡大に貢献している。

パク研究員がサムスン電子を離れたのは、「部品や、部品で使われる技術研究ではなく、製品の開発からマーケティングまで、すべての過程を見る能力を身に付けたい」と感じたため。開発した顔認識機器では、顔の特徴を数式化してコンピュータ言語に置き換えることから、製品のコンセプトづくり、デザインに至るまで、すべてに関与した。

シュープリマのイ・ジェウォン代表は「大企業への就職は短期的にはよい選択かもしれないが、人生という単位で考えると、そこで働ける時間はあまりにも短い。中小企業で中心的な役割を担い、実力を伸ばしたいと思う人も少なくない」と断言する。「働く場所だけではない、人生の価値を実現できる場所となることに力を入れている」と付け加える。

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