掃除機や水はNG?知っておきたい「餅を詰まらせたとき」の対処法とNG行為――交通事故より多い窒息死。2月に食べる縁起物も実は盲点

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幸いに異物が出た場合も安心はできない。

「誤嚥性肺炎のリスクや、呼吸をしていない間に起こる脳への損傷、応急手当による肋骨・臓器へのダメージの可能性を確認するため、必ず医療機関を受診してください」と五十嵐さんは言う。

反対に、“餅を詰まらせたときにやってはいけない方法”についても聞いた。

やってはいけないのは、まず指を入れて取り出そうとすることだという。異物が見えないのに口の中に指を入れると、詰まっている食べものがさらに喉の奥へと押し込まれ、状況を悪化させてしまうおそれがあるためだ。

同様の理由から、無理に飲み込ませようと、水を飲ませることも推奨できない。

では、よく映画や漫画で出てくる、掃除機で吸う方法はどうなのか?

「ガイドラインには記載されておらず、第1選択としては推奨されません。ただ、実際に掃除機で救命につながった例は存在します。体力がない高齢者が紹介した方法を行えない場合など、何もしないよりは有効であると考えられます」(五十嵐さん)

予防のコツ「一口サイズを知る」

餅による窒息は完全には防げないものの、工夫次第でリスクを大きく下げることは可能だ。五十嵐さんは予防の3つのポイントを挙げる。

①一口の大きさを小さくする

食べもののサイズは「板チョコ1かけ程度」を目安にすると、気道の完全閉塞を起こしにくく、咳で排出されやすくなる。餅は小さく切るか、介護用の餅を選ぶのも有効。

②食べる前に水分を摂る

水分不足は喉の詰まりを引き起こしやすくなるので、食べる前に水やお茶などを飲んで、喉を潤しておく。

③食事中の会話は控えめに

特に、高齢者と子どもは会話中に誤嚥しやすいので、食べることに集中し、しっかり飲み込んでから話すようにする。

1人暮らしの高齢者が食事中に窒息すると、誰にも気づかれず、致命的になる場合がある。リスクのある食べものは、できるだけ誰かと一緒に食べるようにしたい。

窒息は突然起こり、短時間で重症化する。しかし、正しい知識と応急手当を知っているだけでも、救命率は大きく高まる。

年末年始や行事のときは、家族や友人と食卓を囲む機会が増える。楽しい時間を守るためにも、窒息に対する理解と備えをあらためて確認したい。

田中 絢子 フリーランス編集者・ライター

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たなか じゅんこ / Junko Tanaka

兵庫県生まれ。立命館大学卒。出版社勤務を経て、フリーランスの編集者およびライターとして活動。現在は子ども向けを中心に、料理、健康、暮らしなどのジャンルで書籍制作や記事執筆にたずさわる。絵本のおはなし創作もときどき。

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