自動運転はレースで人間を超えられるのか。無人フォーミュラ「A2RL」2年目の進化と、AI同士が生んだ予想外のドラマ
人間のような追い越しとドラマに沸いた決勝レース
2025年11月15日、2年目のA2RL決勝レースが行われるヤス・マリーナ・サーキットには、およそ1万人もの観客が詰めかけてグランドスタンドを埋めた。
スタート前のホームストレートには、予選順位に従いドイツ・ミュンヘン工科大学(TUM)チーム、イタリア・モデナ・レッジョ・エミリア大学のUnimoreチーム、UAEとシンガポール合同のKinetizチーム、UAEのTII Racingチーム、イタリア・ミラノ工科大学のPoliMOVEチーム、ドイツ・コンストラクター大学(Constructor)チームという全6台のマシンが並んだ。
20周の決勝レースはスムーズなスタートで始まったが、すぐにTUMとUnimoreの2台による首位争いに発展。2周目には、ストレートからコーナーへのブレーキング時に機敏なハンドルさばきでTUMのイン側に飛び込んだUnimoreのマシンが首位を奪った。それは、この2台が無人で走っていることを忘れさせるほどに自然かつ豪快なオーバーテイクだった。
首位に立ったUnimoreのマシンは、そのままTUMとのタイム差を広げていくかに見えた。だが、TUMもペースをじわじわと上げて1秒前後の差でトップに食い下がる。


















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