「パスタはフォークで巻く」のは正解か?ハレの日に失敗しない"食事マナー"と一流店を味方につける"会話術"【グルメガイド編集長が解説】
かつて、サービスの天才として評判の高かったソムリエの方にインタビューをしたことがあります。
どんな難題にも、笑顔を絶やさず応えてくれる凄腕でした。いまだに忘れられないのが、「結局、サービスの人って何が一番嬉しいのですか?」という私の問いに対し、満面の笑みで「それはお客様に“ありがとう”と言っていただくことです」と即答してくれたことです。
ああ、なるほどと。
「ありがとう」と「ごちそうさま」
大事なのはフォークを落としたら自分では拾わない、とかナプキンの使い方といったマニュアルよりも、コミュニケーションなんだなと納得しました。以来、私は「ありがとう」と「ごちそうさま」を、できるだけ言うようになりました。
そんなことかよ! と思うでしょうが、大切なんです。
難しい顔をして食べていたり、会話に夢中になって、サービス人を無視していることはないですか? 年下だから、アルバイトだからと見下していたら失礼です。この関係性において相手はプロなのですから。
それに自分が若いと、恥ずかしくて言いづらかったりするでしょうが、50を過ぎたら、自然と感謝の言葉を口にできますよね。
不思議なことに「ありがとう」「ごちそうさま」と言っているとポジティブな気持ちになり、「この料理はおいしいですね!」とか、次のコミュニケーションもスムーズに取れるようになります。
もちろん、居酒屋だって立ち食い蕎麦だって一緒です。そのひとことで相手も喜んでくれるし、こちらも肩の力が抜けるし、なにより気持ちいいですよね。
所作もそうです。
料理が出てきて食べ方がわからなかったら、悩んでいないでサービスの人に聞けばいいだけです。これも、最初の「ありがとう」でコミュニケーションを取っていれば普通に聞けます。
ちなみに町中華やラーメンなどの忙しいお店だと、帰る時に「ごちそうさま」と言っても応えてくれなくてがっかりする時がありますよね。
でもそれは無視されているわけではなく、こちらのタイミングと声量の問題です。必ず相手の顔を見て、それなりの声で伝えるようにしてみてください。笑顔が返ってきますから。


















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