SNSでトラブル、デジタルタトゥーにも… 写真撮影時の《他人の写り込み》は"肖像権の侵害"に当たるのか 注意点を解説
子どもの個人情報がさらされると、デジタルタトゥーになってしまう。通っている園や学校、自宅などがわかってしまうことで、ストーカー被害や誘拐などにつながる可能性もある。
子どもの顔の無断公開は絶対にやめるべきであり、少なくとも顔と名前が一致する情報を出すことは避けるべきだろう。
無断公開で炎上や訴訟問題に発展も
無断で写真を公開することで、訴訟問題に発展したり、法的には問題なくても炎上につながったりした例もある。
あるファッション団体が銀座界隈で街を歩く女性のスナップを撮影、当人の許可なくウェブサイトに公開したことがある。女性はDOLCE&GABBANAのパリコレに出展した服を着ていたが、服の胸元には赤い文字で「SEX」とデザインされていた。
これが2ちゃんねる(当時)で話題となり、女性に対する誹謗中傷が殺到。友人に教えられて当人も知るところとなり、訴訟にいたったというわけだ。無断でさらされたことで誹謗中傷という実害を被った例だ。
2020年には、あるカメラのプロモーション映像として、同カメラを用いたストリートスナップ撮影の模様が公開され、炎上している。映像には被写体に許可を得ずに撮影する様子が映っており、それが非難を集めた。
法的には問題ない行為だったが、世論はNGという反応だったため、動画は削除となった。ストリートスナップはかつて許されていたかもしれないが、今は当人の許可を得ない撮影、公開はNGというのが一般的な感覚なのだ。
国立青少年教育振興機構の「高校生のSNSの利用に関する調査報告書」(2024年7月)によると、12.2%の日本の高校生がSNSをしていて「自分の写真が無断投稿された」被害の経験があるという。
個人情報に関する関心が高まっている一方で、自撮りやSNS利用が広く普及したことで、トラブルの経験も増えているというわけだ。


















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