「自分は無能」「人に任せたい」と思う人ほど生産性が上がる納得の訳――"自分以外の力を最大化する構造"の身に付け方

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さらに深刻なのは、忙しさが増えるほど「任せ方を学ぶ時間」がなくなり、結果として永遠に“自分一人のスピード”で働かざるを得なくなることだ。これは構造の問題であって、能力の問題ではない。

トップセールスに到達できた訳

筆者(冨田)は、開始3年で世界的トップセールスに到達した。しかし、その理由は決して「有能」だったからではない。むしろ──

・エクセルの関数が使えない
・パワポは触ると崩れる
・事務は壊滅的に苦手
・説明も上手とは言えない

という、“無能さ”を抱えていた。だからこそ、最初からこう決めたのだ。

・営業以外はすべて任せる
・スケジュール管理は外注
・資料はプロに発注
・自分は“契約を創る仕事”だけに集中する

「自分が動く量」ではなく“自分以外の力を最大化する構造”を作った結果、同僚の5倍、10倍の成果を出せるようになった。これは、能力が高かったからではない。最初から「自分の能力に依存しない構造」を作ったからである。そしてこの方法は、どんな職種でも再現できる。

まず、次の3つを書き出してほしい。

・自分がやらなくてもいい仕事
・苦手・遅い・嫌いな仕事
・他人がやったほうが速い仕事

そして──この中から「1つだけ」手放す。

ミリオンダラー営業会議 (単行本)
『ミリオンダラー営業会議』(三笠書房)。書影をクリックするとアマゾンのサイトにジャンプします

構造改革は、派手な改革ではなく“小さな手放し”からしか始まらない。実際、ミリオンダラー級の成果を出す人は、どれも最初はこの“1つの手放し”からスタートしている。

私が提唱しているのは、「普通に稼げる人」ではない。“普通の10倍の生産性で、桁違いの売上を継続的に生み出す人”──すなわちミリオンダラー営業になる方法だ。

ミリオンダラー営業の戦略は、あまりに再現性が高く成果が出すぎるため、業界では表に出ないことも多い。

あなたが「そこそこ稼げる」から抜けたいなら、いまこそ有能さに執着する構造を捨てるときだ。10倍の成果を出す人は、有能だからではない。“無能を戦略として使いこなす人”である。

冨田 顕子 ミリオンダラー営業会議®︎主催 株式会社Make The Future代表取締役社長

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とみた あきこ / Akiko Tomita

1988年茨城県生まれ。早稲田大学教育学部中退。パチンコ店アルバイトから保険のセールスマンに転身後、20代で異例の世界的トップセールスへ駆け上がる。生命保険プランナーとして世界的にも数%の人しか到達できないMDRT5回(内COT≪MDRTよりさらにハイレベルで0.2%程度しかいないと推測される≫を4回)達成。

異業種交流組織「BNI」リクルート数 日本歴代No.1を保持。現在は営業コンサルタントとして、ミリオンダラー営業会議®︎を主催。二児の子育てをしながら、年商2億円超えを達成している。

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