「もっと貰えたかも?」「開始年齢を間違えた…」年金で「大損する人」の"要注意ポイント"

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② 受け取る年金が6万5000円~12万円の人の場合(繰り下げ受給)

12万円÷(受け取れる年金)をAとします。Aに100をかけたものを100A。100Aから100を引いたものをBとします。このBを0.7で割ると何カ月繰り下げればいいかがわかります。

たとえば受け取れる金額が10万円だった場合、12÷10=1.2。1.2×100=120です。この120から100を引くと20。20を0.7で割ると28.5という数字が出てきます。

この場合、28.5カ月(およそ2年4カ月)繰り下げればいいという計算になります。つまり67歳ぐらいで受給開始をすることで12万円以内に収まることになります。

12万円÷(受け取れる金額)=A
A×100=100A
100A-100=B
B÷0.7=◯カ月

なお、月額15万7000円以上の年金を受け取れる人については、仮に60歳から繰り上げ受給をしても、受給額が12万円以下になることはありません。したがって、コストパフォーマンスを重視するなら、60歳から受給開始する方が得をする可能性が高いといえます。

とはいえ、年金はコスパがすべてではない

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一方で、月額6万5000円以下の人の場合は、75歳まで繰り下げても受給額が12万円に届きません。こうしたケースでは、損得やコスパの比較よりも、現実的な生活状況に基づいて受給開始年齢を決めることが重要です。

また、上記の計算はあくまで目安です。

実際の受給額は制度上の調整により異なる場合があります。また、年金の繰り上げ・繰り下げは一度選ぶと途中で変更できませんのでご注意ください。

以上、年金の受取額について、もっとも率のいい額を受け取る「コストパフォーマンス」の観点からの提案をさせていただきました。

とはいえ年金はコスパがすべてではありません。コスパばかり考えて、生活が苦しいのに無理して繰り下げるというのは本末転倒になってしまいます。

今回お伝えした考え方は、「いつ受け取ってもいいけれど、できるだけお得なタイミングを知りたい」という人向けのものです。ご自分の年金額をもとに何歳から受け取るのがちょうどいいか、みなさん自身で考えてみてください。

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鳥海 翔 ファイナンシャルプランナー/経営者

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とりうみ・しょう / Sho Toriumi

慶應商学部卒業後、三井住友海上を経て2016年に株式会社Challengerを設立。金融リテラシーの普及を目指し「Private Bank College」を開設。YouTubeチャンネル「鳥海翔の騙されない金融学」は登録者33万人超(2025年10月時点)。東証ETF解説動画コンテスト優勝。ミドルシニアの資産形成を支援し、初の著書『だまされないお金の増やし方』(KADOKAWA)を刊行。

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