「気持ち悪い」が「かわいい」に変わる瞬間 "60匹のカエル"と暮らす主婦が語る驚きの魅力

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「カエルと触れ合うのは、朝エサを与えるときだけと決めています。動画を撮影するのもその時だけです。動画内だと、カエルが私に懐いているように見えますが、彼らは私がエサを持っているから食べに来ているだけ。私のことを飼い主として認識しているわけでもないんです」

カエルは基本的に人に懐く生き物ではないし、べたべた触られて喜ぶわけでもない。ぴよさんもそれをよく知っているからこそ、触れ合いは最小限に抑えている。昼間水槽を掃除するときも、基本はカエルに対するアクションは一切起こさないという。

「人間が『かわいい、かわいい』って触れ合いを求めるのは、カエルにとって迷惑なんですよ。『エサを持ってくる生き物』として私に慣れてくれているから、その信頼を壊さないように、適切な関係を保ちたいと思っています」

アカメアマガエルのルビー
アカメアマガエルのルビーは、エサをよく食べる子(写真提供:ぴよさん)

一定の距離を保っていても…別れの悲しみは同じ

カエルの生態を尊重し、一定の距離を保つ。飼い主というより「観察者」のようだ。しかし、その存在に心を揺すぶられることもある。カエルの一生は意外に長い。ニホンアマガエルで5年以上生き、種によっては15年生きるカエルもいる。

一匹ずつ名前を付けて飼育しているぴよさんにとって、一つの命を失うことは、「小さな変化」では済まない。種に関わらず、長く暮らした相手を失う悲しみは同じなのだ。

後編へ続く→「笑っているように見えた」60匹のカエルと向き合う主婦が守る"心の距離"と、別れで学んだ"飼育者の責任"

宮﨑 まきこ フリーライター

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みやざき まきこ / Makiko Miyazaki

立命館大学法学部卒業後、13年間法律事務所にてパラリーガルとして勤務。自己破産、離婚、失業、犯罪など、人生の困難な局面に置かれた人々と接してきた経験を生かし、フリーライターとして独立。
人物インタビューを中心に取材・執筆している。
静岡県浜松市在住。愛犬家。夫と愛犬・鰤(ぶり)と暮らしている。

X:@makiko_miyazaki

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